親からの結婚式費用の援助に贈与税はかかる?受け取り方や注意点も徹底解説!

親から結婚式費用の援助を受けると、「贈与税はかかるの?」と不安になる方も多いでしょう。
実は、結婚式に直接必要な費用であれば、受け取り方次第で贈与税がかからないケースもあります。一方で、まとめて現金をもらったり、使い道が曖昧だったりすると、課税される可能性もあるため注意が必要です。
本記事では、非課税になる基本的な考え方や注意点を、できるだけわかりやすく解説します。
親に援助してもらった結婚式費用の贈与税は非課税になるのか
親から結婚式費用として援助を受けた場合でも、原則としてお金をもらえば贈与税の対象です。ただし、全てが課税されるわけではありません。
税法上、「結婚・出産・子育てなど、社会通念上相当と認められる範囲の費用」に充てるための援助については、生活費や教育費と同様に非課税扱いとされています。
たとえば、結婚式の会場費、衣装代、引き出物代など、結婚式をおこなうために直接必要な費用であれば、親がその都度負担する形で支払えば贈与税はかかりません。
一方で、援助金を一括でもらい、使途が明確でなかったり、結婚式以外の支出に回したりすると、非課税と認められない可能性があります。
重要なのは「結婚式のために必要な費用であること」と「金額が常識的な範囲内であること」です。
ひとり300万円まで贈与税が非課税
結婚資金に関する一括贈与の非課税制度では、受贈者ひとりあたり300万円までの結婚資金が贈与税非課税です。
この300万円は、結婚式の会場費、衣装代、引き出物代、新居準備に関する費用など、結婚に伴って必要となる支出を想定したものです。制度は年間110万円まで非課税となる暦年贈与とも併用できるため、計画次第ではより多くの資金を税負担なく援助可能です。
ただし現状、制度の適用期限は2027年3月末までとされているので、注意しましょう。残高がある場合は贈与税が課税されるため、使い切れる金額を見極めて利用するのが重要です。
結婚式費用の援助で贈与税が発生してしまうケース
結婚式費用として親から援助を受けた場合でも、条件を満たさなければ贈与税が発生してしまう場合があります。
特に、金額が高額過ぎる場合や、結婚式以外の目的に使える状態で受け取った場合は注意が必要です。「結婚式のため」といった名目だけでは非課税は保証されません。
ここでは、贈与税が課税されやすい具体的なケースをひとつずつ確認していきます。
援助金が高額過ぎる場合
結婚式費用としての援助であっても、金額が社会通念上の範囲を大きく超えている場合は、贈与税が課税される可能性があります。
たとえば、結婚式費用として数百万円を大きく超える金額を一括で受け取った場合、その全額が非課税と認められるとは限りません。
非課税であることを主張するには、見積書や請求書をもとに、結婚式に実際に必要だった金額であることを説明できるかが重要です。
結婚式後に自由に使えるお金として受け取った場合
結婚式が終わった後に、「余った分は自由に使っていい」として親から現金を受け取った場合、そのお金は結婚式費用ではなく、通常の贈与とみなされる可能性が高いです。
結婚式費用として非課税となるのは、あくまで挙式や披露宴をおこなうために直接必要な支出に限られます。結婚式後に使い道が限定されていない資金は、生活費や貯蓄に回せるため、贈与税の非課税対象にはなりません。
たとえ「結婚祝い」や「結婚式のため」といった名目であっても、実態として自由に使えるお金であれば、税務上は贈与と判断されます。
結婚式費用として非課税にしたい場合は、支払いの都度援助を受ける形がよいでしょう。
名義や管理方法が不適切な場合
結婚式費用の援助であっても、資金の名義や管理方法が不適切では、贈与税が課税されるリスクがあります。
たとえば、親名義の口座に入ったままの資金を新郎新婦が自由に使っていたり、逆に新郎新婦名義の口座に一括で入金された資金を結婚式以外にも使える状態にしていたりすると、実質的な贈与と判断されやすくなってしまいます。
重要なのは「誰が管理し、どの目的で使われたか」です。結婚式費用として非課税を主張するためには、支払いの流れが明確で、結婚式関連費用にのみ充てられていることを客観的に示せる状態が求められます。
名義や管理が曖昧では、税務調査で指摘を受ける可能性が高まります。
結婚式前に投資などに使った場合
結婚式費用として援助を受けた資金を、結婚式前に投資や資産運用、別目的の支出に使った場合、その時点で贈与税の課税対象となる可能性があります。
たとえば、援助金を一時的に株式投資や暗号資産の購入に回し、後から結婚式費用に充てるつもりだったとしても、実際の使途が結婚式以外であれば非課税は認められません。
資金の流れは通帳履歴などから確認されるため、「いずれ結婚式に使う予定だった」といった説明は通りにくいのが実情です。援助金は、結婚式関連の支払いに直接使うよう注意が必要です。
親からの結婚式費用はどのように受けとるべきか
贈与税のリスクを避けるためには、結婚式費用の援助を「どのように受けとるか」が非常に重要です。
受け取り方を誤ると、実際に結婚式費用に使っていたとしても、贈与と判断される可能性があります。
では、実務上どのような受け取り方が安全なのでしょうか。次から見ていきましょう。
【結論】結婚式に使うことが明確な形で援助してもらう
結論として、親からの結婚式費用の援助は「結婚式に使うことが明確な形」で受けとるのがもっとも安全です。
贈与税が非課税とされるのは、結婚式の開催に直接必要な費用として、その都度支払われる場合に限られます。
資金を一括で受け取り、自由に使える状態にしてしまうと、たとえ実際に結婚式費用に使ったとしても、贈与と判断されるリスクが高まります。
援助金については、支払い先や金額、タイミングを明確にし、「結婚式費用以外には使えない」状態を作ることが重要です。
親が結婚式場へ直接支払うと安心
親が結婚式場や関連業者へ直接支払う方法は、贈与税の面でもっとも安心できる受け取り方のひとつです。
この場合、新郎新婦はお金を受け取らず、親が会場費や衣装代、引き出物代などを直接負担します。
資金が新郎新婦の手元に渡らないため、「財産の贈与」に該当しにくく、結婚式費用としての実費負担であることを明確にできます。また、請求書や領収書の名義が結婚式場と親になっていれば、使途についての説明も容易です。
税務調査が入った場合でも、結婚式に直接必要な費用であることを客観的に示しやすいため、贈与税が課税されるリスクを大きく下げることができます。
現金や銀行振込で受けとる場合はすぐに支払う
やむを得ず現金や銀行振込で親から結婚式費用を受けとる場合は、受け取った資金をできるだけ早く結婚式関連の支払いに充てることが重要です。
長期間口座に置いたままにしたり、ほかの支出と混在させたりすると、「自由に使えるお金」と判断され、贈与税の課税対象になるおそれがあります。
受け取った金額と支払い額が対応していることを示すため、振込履歴や領収書をセットで保管しておくと安心です。
また、受けとる金額は必要な実費に近い額にとどめ、余剰が出ないよう調整するのも大切です。
親から結婚式の費用を援助してもらう場合の注意点
結婚式費用の援助では、贈与税だけでなく、管理方法や証拠の残し方にも注意が必要です。
資金の流れが曖昧だったり、結婚式以外の支出と混在していたりすると、非課税の主張は難しいです。また、後から親族間のトラブルに発展するケースも少なくありません。
ここでは、援助を受ける際に押さえておきたい実務上の注意点を整理します。
結婚式以外の費用と混同しない
結婚式費用として援助を受けたお金は、結婚式に直接関係する支出にのみ使うことが重要です。
新婚旅行代や新居の家電購入費、生活費などと混同してしまうと、結婚式費用としての非課税扱いが否定されるおそれがあります。
たとえ最終的に結婚式にもお金を使っていたとしても、資金の流れが不明確では「自由に使えるお金をもらった」と判断されやすいです。
そのため、結婚式費用専用として受けとる金額を明確にし、ほかの支出とは分けて管理するのが大切です。口座を分ける、支払いをまとめておこなうなど、混同を防ぐ工夫をしておくと安心です。
書類や証拠は必ず残しておく
結婚式費用の援助を非課税として扱うためには、書類や証拠を残しておくことが非常に重要です。
具体的には、結婚式場の見積書・請求書・領収書、親からの振込履歴、支払いの明細などが挙げられます。これらの資料があれば、援助されたお金が実際に結婚式費用として使われたことを客観的に説明できます。
反対に、証拠が残っていないと、税務調査などで贈与と指摘された際に反論が難しいです。口約束だけで済ませず、金額や支払い先がわかる形で記録を残すことが、後々のリスク回避につながります。
将来トラブルにならないよう事前に話し合う
結婚式費用の援助については、税金面だけでなく、親族間の認識の違いにも注意が必要です。
たとえば、「これは贈与なのか、それとも立て替えなのか」「余った場合はどうするのか」といった点を曖昧にしたままにすると、後からトラブルになることがあります。
特に将来、相続が発生した際に「特別な援助だったのではないか」と問題視されるケースも少なくありません。こうした事態を防ぐためにも、援助の目的や金額、使い道について事前に話し合い、共通認識をもっておくことが大切です。
必要に応じてメモを残しておくと、より安心です。
親からの結婚式費用の援助は将来の相続税に影響するのか
結婚式費用として親が援助したお金は、将来の相続税に影響するのか不安に感じる方も多いでしょう。
原則として、結婚式に必要な範囲の費用であれば、相続税の計算に影響しないとされています。ただし、内容や金額によっては、生前贈与や特別受益とみなされる可能性もあります。
詳しい内容を次から見ていきましょう。
結婚式費用の援助は原則として相続税の対象にならない
結婚式費用として親が負担した援助は、原則として相続税の対象にはなりません。
これは、結婚式が人生の節目となる重要な行事であり、その費用が社会的に見て必要かつ妥当な範囲であれば、財産の前渡しとは評価されないためです。
たとえば、会場費や衣装代、引き出物代など、結婚式をおこなうために直接必要な費用を親が負担した場合、その支出は相続財産の前渡しとは扱われません。そのため、相続発生時に「特別受益」として持ち戻されることも通常はありません。
ただし、結婚式費用であることが客観的に確認できることが前提となるため、支払いの記録や領収書はきちんと保管しておくことが大切です。
生前贈与とみなされると相続税に影響する可能性がある
結婚式費用の援助であっても、その内容が結婚式に直接関係しない場合や、自由に使えるお金として渡された場合は、生前贈与とみなされる可能性があります。
生前贈与と判断されると、相続開始前一定期間内の贈与については、相続財産に加算され、相続税の計算に影響を与えることがあります。
特に、結婚式後に余ったお金を返さず、そのまま貯蓄や生活費に回している場合は注意が必要です。また、名目は結婚式費用であっても、実態が単なる資金援助であれば、税務上は贈与と判断されやすくなるので、注意しましょう。
将来の相続税トラブルを避けるためには、使途を限定し、資金の流れを明確にするのが重要です。
援助額が高額な場合は相続時に問題になりやすい
親からの結婚式費用の援助が高額な場合、相続時に問題になってしまうことがあります。
結婚式費用として一般的な水準を大きく超える金額を負担してもらっていると、「結婚式費用の援助」ではなく「多額の財産の前渡し」と受け取られる可能性があるためです。
特に、兄弟姉妹がいる場合には、「特定の子だけが多くの援助を受けている」として、不公平感から相続トラブルに発展するケースもあります。税務上だけでなく、民法上の特別受益として問題になることも考えられるため、高額な援助を受ける場合は注意が必要です。
事前に家族間で話し合い、援助の趣旨や金額を共有しておくことが、将来のトラブル防止につながります。
【親から援助された結婚式費用】非課税になる支出・ならない支出とは
結婚に関連する支出であっても、全てが非課税になるわけではありません。
非課税とされやすいのは、挙式や披露宴をおこなうために直接必要な費用です。一方で、結婚をきっかけにした支出でも、内容によっては贈与税の対象です。
ここでは、非課税になりやすい支出と、課税されやすい支出を具体的に分けて確認していきます。
結婚式をおこなうために直接必要な費用は非課税になりやすい
結婚式を実施するために直接必要な費用については、親が援助した場合でも、社会通念上相当な範囲であれば非課税として扱われやすいとされています。
- 挙式・披露宴会場の使用料
- 料理、飲み物代
- 新郎新婦の衣装代
- 引き出物、引菓子代
- 写真、映像撮影費用
これらはいずれも結婚式をおこなうために必要な費用なので、援助金がこれらの支払いに充てられていることが明確であれば、贈与税が課税される可能性は低いでしょう。見積書や領収書を残しておくことが重要です。
結婚を機に新居を借りる際の初期費用は非課税として扱われやすい
結婚に伴い新たに住居を借りる場合、その初期費用についても、結婚に通常必要な支出として非課税とされやすい傾向があります。
- 敷金、礼金
- 仲介手数料
- 前家賃、共益費
- 引っ越し費用
これらの費用は、結婚を機に新居を構えるために直接必要な支出と判断されやすく、親からの援助であっても非課税となる可能性があります。
ただし、過度に高額な物件や、結婚と無関係な住居取得と見なされる場合は注意が必要です。
挙式や披露宴に直接関係しない費用は非課税にならない
一見すると結婚に関係しているように見えても、挙式や披露宴に直接関係しない費用については、非課税とは認められません。
- 婚活サービスの利用料
- エステや美容施術費
- 結納式や顔合わせ食事会の費用
- 結婚準備期間中の生活費
これらの費用に親から援助を受けた場合、その金銭は通常の贈与とみなされ、贈与税の課税対象になる可能性があります。結婚に関連しているといった理由だけでは非課税にはならない点に注意が必要です。
結婚指輪・婚約指輪・新婚旅行は原則として非課税の対象外
結婚指輪や婚約指輪、新婚旅行については、結婚に伴う支出ではあるものの、原則として非課税の対象にはなりません。
- 結婚指輪、婚約指輪の購入費
- 新婚旅行の旅費、宿泊費
- 旅行先での観光・買い物費用
これらは「結婚を祝うための支出」や「個人の嗜好による支出」と考えられ、結婚式を実施するために必要な費用とは扱われません。
親から援助を受ける場合は、年間110万円の基礎控除内に収めるなど、贈与税を前提とした対応を検討するのが大切です。
まとめ
親からの結婚式費用の援助は、受け取り方や使い道を誤ると贈与税がかかる可能性があります。
一方で、結婚式に直接必要な費用として、常識的な範囲で負担してもらう分には、非課税となるケースも多くあります。大切なのは、資金の流れを明確にし、証拠を残しておくことです。
不安がある場合は、当法人ai行政書士法人までお気軽にご連絡ください。
