みなし譲渡とは?所得税・消費税がかかるケースと見分け方を解説

会社に資産を譲る話や、限定承認の相続の話が出たときに、「売っていないのに税金がかかる」と聞くと、自分の場合も当てはまるのか気になるものです。
みなし譲渡は、資産を無償や時価より安い価格で手放したときに、時価で売ったものとみなして税金を計算する制度です。実際にはお金を受け取っていなくても、値上がり益に所得税がかかることがあり、事業者の取引では消費税がかかるケースもあります。
課税に気づかないまま取引を終えると、納税の資金を用意できず、あとで困ることになります。そのため、取引をする前に、どんな場合に課税され、どんな場合に課税されないのかを知っておくことが大切です。
この記事では、以下の内容を解説します。
- みなし譲渡の意味と、課税される理由
- 所得税がかかる4つのケースと、消費税がかかる3つのケース
- みなし譲渡にならない場合の見分け方
- 税金がかかる人と、税額の計算方法と具体例
- 申告が必要になる時期と、取引の前に確認したい点
会社への贈与や低額での売却、限定承認の相続などを控えている個人や個人事業主の方に向けて、みなし譲渡の意味と課税の範囲をまとめました。取引の前に確認したい点もお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。
みなし譲渡とは
みなし譲渡とは、資産を無償や時価より安い価格で渡したときに、時価で売ったものとして所得税や消費税を計算する制度です。時価とは、通常売買される価額をいいます。
お金を受け取っていなくても課税される点が、通常の取引との大きな違いです。
- 実際に売っていなくても時価で売ったものとみなして課税すること
- 税負担の回避を防ぐために設けられている
- お金を受け取っていなくても納税が必要になる
以下、制度の意味、設けられている理由、納税の資金の3点を見ていきます。
実際に売っていなくても時価で売ったものとみなして課税すること
税金の計算は、実際に受け取った金額を基にするのが原則です。ところがみなし譲渡では、実際の取引価額ではなく、時価を基に計算します。
たとえば、1,000万円で買った時価1,600万円の土地を、会社へ無償で渡したケースです。この場合は、1,600万円で売ったものとして、値上がり益の600万円に所得税がかかります。
代金を受け取っていなくても、時価で売ったものとして税金を計算するのがみなし譲渡です。事業者の取引では、所得税のほかに消費税がみなし譲渡の対象になる場面もあります。
税負担の回避を防ぐために設けられている
所得税は、資産を売って実際に利益が生じたときに課税するのが原則です。ただし、この原則だけでは、値上がりした資産を会社へ無償や安い価格で渡して、値上がり益への課税を避けられてしまいます。
そこで、法人への贈与や低額での譲渡では、渡した時点の時価で売ったものとみなし、値上がり益に所得税を課します。みなし譲渡は、値上がり益への課税を避ける取引を防ぐための制度です。
消費税にも、対価を受け取らない取引のうち一定のものを、対価を得たものとして課税する扱いがあります。
お金を受け取っていなくても納税が必要になる
みなし譲渡で気をつけたいのは、代金が入ってこないのに納税が必要になる点です。たとえば、時価3,000万円の土地を会社へ無償で渡すと、手元にはお金が入りません。
それでも、時価から取得費を引いた値上がり益に、所得税と住民税がかかります。納税の資金は、渡した資産の代金ではなく、自分の手元の資金から用意することになります。
お金を受け取らない取引ほど、納税の資金をどこから出すのかを、取引の前に考えておきましょう。
所得税がかかるみなし譲渡の4つのケース
所得税のみなし譲渡は、個人が持つ資産を法人へ無償や低い価額で渡す場合と、限定承認で相続する場合に生じます。法人に対する贈与・遺贈・時価の2分の1未満での譲渡と、限定承認の相続は、時価で資産を譲渡したものとして扱われる決まりです。
このほか、公益信託の受託者である個人への贈与・遺贈も対象ですが、一般の個人には縁が薄いため、ここでは取り上げません。この記事では、見分けやすいように、次の4つの場面に分けて説明します。
- 個人が法人に資産を無償で譲渡(贈与)した場合
- 個人が法人に資産を著しく低い価額で譲渡した場合
- 遺産を限定承認で相続した場合
- 資産を法人に遺贈した場合
以下、それぞれの場面で、何が時価で売ったものとして扱われるのかを見ていきます。
参考:国税庁「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
個人が法人に資産を無償で譲渡(贈与)した場合
個人が会社へ土地や株式などを無償で渡すと、渡した時点の時価で売ったものとみなされます。たとえば、個人事業を会社にするときに、事業で使っていた建物を会社へ無償で移すケースです。
時価と取得費の差額が値上がり益となり、渡した個人に所得税がかかります。代金を受け取らない贈与でも、相手が法人であれば課税の対象になります。
個人が法人に資産を著しく低い価額で譲渡した場合
無償でなくても、時価の2分の1に満たない価額で法人へ売ると、時価で売ったものとみなされます。
たとえば、時価1,600万円の土地を、会社へ700万円で売ったケースです。700万円は時価の2分の1を下回るため、1,600万円で売ったものとして値上がり益が計算されます。
目安は、時価の2分の1未満かどうかです。時価の2分の1以上の価額なら、この規定の対象にはなりません。ただし、取引の実態によっては、別の規定で時価を基に課税されることがあります。
遺産を限定承認で相続した場合
限定承認とは、相続で受け取った財産の範囲内で、亡くなった人の借金や未払金を返す相続の方法です。
限定承認は、相続人全員が共同して、家庭裁判所へ申し出ます。期限は、相続の開始を知ったときから3か月以内です。
限定承認で相続すると、亡くなった人が相続の時の時価で資産を売ったものとみなされ、値上がり益に所得税がかかります。売却していなくても、値上がりした土地や株式があれば課税される点に気をつけましょう。この所得税は、相続人が、亡くなった人に代わっておこなう準確定申告で申告し、納税します。
資産を法人に遺贈した場合
遺贈とは、遺言で財産を渡すことです。亡くなった人が遺言で、土地や株式などを法人に遺贈した場合も、亡くなった時点の時価で売ったものとみなされ、値上がり益に所得税がかかります。
遺産の割合を指定する包括遺贈では、遺贈を受けた法人が、特定の財産を指定する特定遺贈では、相続人が、準確定申告で納税する立場になります。
法人への遺贈は、実際にお金が動かなくても課税が生じる取引です。公益を目的とする事業をおこなう法人への寄附では、国税庁長官の承認を受けると、所得税が課税されない制度もあります。
消費税がかかるみなし譲渡の3つのケース
消費税のみなし譲渡は、事業者がお金を受け取らない取引のうち、一定のものを、対価を得たものとみなして課税する扱いです。
対象になるのは、法人が役員にする贈与や低額での譲渡と、個人事業主の自家消費に限られます。次の3つの場面があります。
- 法人が役員に資産を無償で譲渡(贈与)した場合
- 法人が役員に資産を著しく低い価額で譲渡した場合
- 個人事業主が事業用資産を自家消費した場合
以下、それぞれの場面で、何を対価とみなし、いくらで計算するのかを見ていきます。
参考:国税庁「No.6321 法人の役員に対する贈与・低額譲渡の取扱い」
参考:国税庁「No.6317 個人事業者の自家消費の取扱い」
法人が役員に資産を無償で譲渡(贈与)した場合
法人が会社の資産を役員へ無償で渡した場合は、その資産の時価に相当する金額を基に、消費税が課税されます。たとえば、事業で使っていたパソコンや車を、代金なしで社長に渡すケースです。
法人から役員への無償の譲渡でも、時価を基に消費税がかかります。ただし、商品や原材料などの棚卸資産を贈与した場合は、仕入価額以上で、通常の販売価額のおおむね50%以上の金額を対価として確定申告すると、その取扱いが認められます。
法人が役員に資産を著しく低い価額で譲渡した場合
法人が役員へ資産を著しく低い価額で売った場合も、実際に受け取った金額ではなく、時価に相当する金額を基に消費税が課税されます。著しく低い価額とは、時価のおおむね50%に満たない金額をいいます。
ただし、商品や原材料などの棚卸資産は、仕入価額以上で、通常の販売価額のおおむね50%以上なら、著しく低い価額には当たりません。
また、役員と従業員の全員に一律の値引きをしていたり、勤続年数に応じて合理的に決めた値引率で売ったりした場合は、実際に受け取った金額で課税されます。目安は、時価のおおむね50%未満かどうかです。
個人事業主が事業用資産を自家消費した場合
自家消費とは、個人事業主が、事業で使っていた資産を、家事のために使うことをいいます。たとえば、店の商品を家族の食事に使ったり、事業用のパソコンを私用に切り替えたりするケースです。
事業をやめて、残った資産を家事のために使う場合も、自家消費にあたります。自家消費した時の時価を基に、消費税が課税されます。
前々年の課税売上高が1,000万円以下の個人事業主は、免税事業者として納税義務が免除されるのが原則です。ただし、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合は、免税事業者にはなりません。
みなし譲渡にならない場合は「誰から誰へ」で見分ける
みなし譲渡になるかどうかは、資産を誰から誰へ移すかで決まります。所得税のみなし譲渡の対象は、法人への贈与・遺贈・低額譲渡と、限定承認の相続に限られ、個人から個人への贈与や低額譲渡、通常の相続は対象になりません。
- 個人から個人への贈与・低額譲渡は対象外
- 通常の相続ではみなし譲渡の課税は生じない
取引の組み合わせごとの扱いは、次の表のとおりです。
| 誰から誰へ | みなし譲渡の扱い |
|---|---|
| 個人から個人への贈与・低額譲渡 | 対象外 |
| 限定承認以外の相続 | 対象外 |
| 個人から法人への贈与・遺贈・低額譲渡 | 所得税の対象 |
| 限定承認による相続 | 所得税の対象 |
| 法人から役員への贈与・低額譲渡 | 消費税の対象 |
| 個人事業主の自家消費 | 消費税の対象 |
以下、対象外になる2つの場面を見ていきます。
個人から個人への贈与・低額譲渡は対象外
個人から個人へ資産を贈与したり、安く売ったりしても、渡した側に、みなし譲渡の所得税は課税されません。所得税のみなし譲渡の対象は、法人への贈与・遺贈・低額譲渡と、限定承認の相続に限られているためです。
ただし、受け取った側には、贈与税がかかる場合があります。個人から著しく低い価額で財産を譲り受けると、時価と支払った金額の差額が、贈与により取得したものとみなされます。
贈与税の対象になるのは、財産を渡した側ではなく、受け取った側です。なお、贈与税で著しく低い価額かどうかは個々の事案で判断され、法人への譲渡の目安である時価の2分の1とは別の基準です。
参考:国税庁「No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき」
通常の相続ではみなし譲渡の課税は生じない
通常の相続では、相続人が亡くなった人の権利や義務をそのまま引き継ぐため、みなし譲渡の課税は生じません。相続でみなし譲渡の対象になるのは、限定承認をした相続と、限定承認をした個人への包括遺贈だけです。
親の土地を相続しただけで、みなし譲渡の所得税が課税されることはありません。なお、相続した財産には、別に相続税がかかる場合があります。
みなし譲渡の税金は誰にかかる?
みなし譲渡の所得税は、資産を渡した側が納税します。一方で、資産を受け取った側にも、別の税金がかかる場合があります。納税する人と、受け取った側の課税関係は、次の3点です。
- 譲渡した側は所得税を納税する
- 受け取った法人は受贈益として法人税の対象になる
- 同族会社では株主への贈与とみなされる場合がある
以下、それぞれで誰がどの税金を負担するのかを見ていきます。
譲渡した側は所得税を納税する
みなし譲渡の所得税を納めるのは、資産を渡した個人です。受け取った法人に、この所得税の納税義務があるわけではありません。
ただし、遺贈や限定承認の相続では、亡くなった人に代わって、相続人や包括遺贈を受けた法人が準確定申告で納税します。
所得税の負担者は、資産を手放した側です。消費税では、役員への譲渡なら法人が、自家消費なら個人事業主本人が、納税する事業者になります。
受け取った法人は受贈益として法人税の対象になる
個人から無償や低い価額で資産を受け取った法人には、時価と支払った金額の差額が、受贈益として法人税の対象になる場合があります。法人税法は、無償で資産を譲り受けた場合も、益金、つまり利益として扱うと定めているためです。
そのため、渡した個人には所得税、受け取った法人には法人税がかかる形になります。資産を譲る側と受け取る側の両方に、別々の税金が生じるおそれがあります。会社へ資産を移すときは、双方の課税を見積もっておきましょう。
同族会社では株主への贈与とみなされる場合がある
オーナー一族が株式の大半を持つ同族会社が、個人から無償で財産を受け取ったり、時価より著しく低い価額で財産を譲り受けたりすると、会社の株価が上がる場合があります。この場合、株価が上がった部分は、財産を渡した人から株主への贈与として扱われ、株主に贈与税が課される可能性があります。
会社へ資産を移す取引では、個人、会社、株主の3者に税金が及ぶのが特徴です。同族会社へ資産を移すときは、とくに株主への課税を確認しておきましょう。
参考:国税庁「相続税法基本通達 第9条その他の利益の享受関係」
みなし譲渡の税額の計算方法と具体例
みなし譲渡の所得税は、時価を売却代金とみなして、通常の譲渡所得と同じ計算式で求める仕組みです。なお、土地や建物以外の資産は、課税の方法や税率が異なる場合があります。ここでは、土地や建物を例にして、次の3点を見ていきます。
- 譲渡所得は時価から取得費と譲渡費用を引いて計算する
- 所有期間によって税率が変わる
- 土地を法人に贈与した場合の計算例
譲渡所得は時価から取得費と譲渡費用を引いて計算する
譲渡所得は、収入金額から、取得費と譲渡費用を引いて計算します。みなし譲渡では、収入金額にあたるのが、実際に受け取った金額ではなく、時価です。
取得費は、資産を買ったときの代金や購入手数料に、その後の改良費を加えた金額で、建物は所有期間中の減価償却費相当額を差し引きます。取得費が分からない場合や、実際の取得費が譲渡価額の5%より少ない場合は、譲渡価額の5%を取得費にできます。
購入時の契約書や領収書は、取得費を示す資料になるので、捨てずに残しておきましょう。譲渡費用は、仲介手数料や測量費など、譲渡のために直接かかった費用です。
所有期間によって税率が変わる
土地や建物の譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年を超えるかどうかで、税率が変わります。5年を超える長期は税率が低く、5年以下の短期は高くなります。税率は次のとおりです。
| 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税を含む合計 |
|---|---|---|---|
| 5年超の長期 | 15% | 5% | 20.315% |
| 5年以下の短期 | 30% | 9% | 39.63% |
復興特別所得税は、所得税額に2.1%をかけた金額で、令和29年分までかかります。表の合計は、これを加えた税率です。所有期間は、取得した日からではなく、譲渡した年の1月1日時点で数えます。
参考:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
参考:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
土地を法人に贈与した場合の計算例
時価3,000万円の土地を、会社へ無償で贈与した場合の計算例です。取得費は1,800万円、所有期間は10年とし、譲渡費用や特別控除は考えません。
譲渡所得は、時価の3,000万円から取得費の1,800万円を引いた、1,200万円です。所有期間が5年を超える長期なので、税額は次のとおりです。
| 税金 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 所得税 | 1,200万円×15% | 180万円 |
| 復興特別所得税 | 180万円×2.1% | 3万7,800円 |
| 住民税 | 1,200万円×5% | 60万円 |
| 合計 | 3つの税金の合算 | 243万7,800円 |
お金を1円も受け取っていなくても、約244万円を納税することになります。実際の税額は、取得費や特例の適用で変わるため、取引の前に税理士へ確認しましょう。
みなし譲渡の申告が必要になる3つのタイミング
みなし譲渡の申告時期は、取引の種類によって、次の3つに分かれます。代金を受け取っていなくても、申告が必要な点は変わりません。
- 贈与・低額譲渡は翌年の確定申告で申告する
- 限定承認は死亡から4か月以内に準確定申告する
- 消費税は事業者の確定申告で申告する
以下、それぞれの期限と、申告する人を見ていきます。
参考:国税庁「No.3102 譲渡所得の申告期限」
参考:国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」
参考:国税庁「No.6137 課税期間」
贈与・低額譲渡は翌年の確定申告で申告する
個人が法人に資産を贈与したり、低い価額で譲渡したりした場合は、譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までに、確定申告で申告します。たとえば、令和8年に土地を贈与した場合は、令和9年の確定申告期間が申告の時期です。
申告の時期は、お金を受け取った日ではなく、資産を渡した日の属する年で決まります。申告先は、所轄の税務署です。
限定承認は死亡から4か月以内に準確定申告する
限定承認で相続した場合のみなし譲渡所得は、亡くなった人の所得として、相続人が準確定申告で申告します。
期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。起算日は、亡くなった日ではなく、知った日の翌日になる点に気をつけましょう。
相続人が2人以上いる場合は、全員が連署で申告書を提出するか、別々に提出して他の相続人へ内容を知らせます。限定承認の申し出は3か月以内、準確定申告は4か月以内と、期限が別々に進みます。
消費税は事業者の確定申告で申告する
消費税のみなし譲渡は、通常の消費税と同じく、事業者が消費税の確定申告で申告し、納税します。
個人事業主は、翌年3月31日までです。法人は、課税期間の終了の日の翌日から2か月以内です。
消費税の期限は、所得税の申告期限である3月15日と違い、個人事業主は3月31日です。なお、納税義務が免除される免税事業者は、消費税を納める必要はありません。
みなし譲渡の取引をする前に確認しておきたい3つのこと
みなし譲渡は、取引が終わってから気づくと、課税を取り消せません。取引の前に確認したい点は、次の3つです。
- 時価を客観的な根拠で確認する
- 税額と納税資金を事前に見積もる
- 税務の判断が必要な点は税理士に確認する
以下、それぞれ何をどこまで確認すればよいかを見ていきます。
時価を客観的な根拠で確認する
最初に確認したいのが時価です。時価は、通常売買される価額をいい、当事者が自由に決めた金額ではありません。
たとえば、土地や建物であれば、近隣の取引事例や不動産会社の査定額など、第三者に説明できる資料を残しておきましょう。株式の評価は方法が複雑なので、税理士に確認すると確実です。
取引価額を決める前に、時価を客観的な根拠で確かめておきましょう。時価と実際の取引価額の差が、課税される金額を左右します。
税額と納税資金を事前に見積もる
みなし譲渡では、お金が入らないまま納税する場合があるため、税額と納税資金を、取引の前に見積もっておきます。
計算の流れは、時価から取得費を引き、税率をかける形です。取得費が分かる資料と、土地や建物の所有期間が分かる資料を、手元にそろえましょう。
見積もった税額を、手元の資金で払えるかを確かめてから、取引を決めましょう。資金が足りない場合は、贈与や低額譲渡という取引の形を見直せないか、税理士に相談します。
税務の判断が必要な点は税理士に確認する
みなし譲渡に当たるかどうかや、税額の見積もりは、取引の内容で判断が変わるため、税理士に確認するのが確実です。確認したい点は、取引の相手が個人か法人か、取引の価額が時価に比べて低すぎないか、いつどこへ申告するのか、の3点です。
税務の判断や申告の代理は、税理士が担当します。一方、不動産の名義変更の登記は司法書士が、会社の設立手続きや遺言書の作成は行政書士が、それぞれ担当します。取引の全体を見て、税務は税理士、登記や手続きはそれぞれの専門家に分けて相談しましょう。
法人成りの会社設立ならai行政書士法人
個人事業を会社にする法人成りでは、事業で使っていた不動産や設備を会社へ移す場面で、みなし譲渡が問題になることがあります。資産をどう移すかという税金の判断は税理士の領域ですが、会社をつくる手続きそのものは、行政書士に任せて進められます。
ai行政書士法人は、札幌の行政書士法人として、会社設立のご相談をお受けしています。お問い合わせは全国から受け付けており、税理士や司法書士など各分野の専門家と連携して、会社設立の前後の相談も進められます。
- 法人設立の実績が3,000件以上ある
- 税理士や司法書士など、各分野の専門家と連携して相談できる
- 初回相談は1時間まで無料
- 問い合わせは、24時間受付のフォーム、電話、LINEからできる
まとめ
この記事では、みなし譲渡の意味と、所得税・消費税がかかるケース、ならない場合の見分け方、税金を負担する人、税額の計算、申告のタイミング、取引前に確認したい点を解説しました。みなし譲渡は、代金を受け取らない取引でも、時価を基に課税される制度で、相手が法人かどうかで課税の有無が変わります。
取引を決める前に、時価と税額、納税資金を確かめ、税務の判断は税理士に確認しておきましょう。
個人事業を会社にする法人成りで会社設立の手続きが必要なときは、ai行政書士法人にご相談ください。札幌の行政書士法人として、会社設立のご相談を全国から受け付けており、初回相談は1時間まで無料です。
よくある質問
- みなし譲渡と低額譲渡の違いは何ですか?
-
低額譲渡は、時価より著しく低い価額で資産を売る取引のことです。みなし譲渡は、贈与や低額譲渡などの取引を、時価で売ったものとみなして課税する税金の扱いをいいます。
つまり、低額譲渡は取引の形で、みなし譲渡はその取引への課税の扱いです。所得税では、法人に対して時価の2分の1未満の価額で売る低額譲渡が、みなし譲渡の対象になります。
- みなし譲渡とみなし贈与の違いは何ですか?
-
みなし譲渡は、資産を渡した側に所得税や消費税を課す制度です。みなし贈与は、時価より著しく低い価額で財産を譲り受けた人に、差額を贈与で取得したものとして贈与税を課す制度です。
違いは、課税される人が渡した側か、受け取った側かにあります。
・みなし譲渡は、渡した側が課税の対象になる
・みなし贈与は、受け取った側が課税の対象になる - 家をタダで譲ると贈与税はかかりますか?
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相手が個人か法人かで、課税される税金が変わります。個人に無償で譲る場合は、財産を受け取った側に、贈与税がかかる場合があります。贈与税の申告と納税は、受け取った人の義務です。
一方、法人に無償で譲る場合は、贈与税ではなく、譲った側にみなし譲渡の所得税がかかります。
- 法人への遺贈はできますか?
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遺言書に書けば、個人のほか、会社や公益法人などの法人にも、財産を遺贈できます。ただし、法人へ遺贈した財産は、時価で譲渡したものとみなされ、亡くなった人の準確定申告で所得税の課税対象になります。
公益を目的とする事業をおこなう法人への寄附で、国税庁長官の承認を受けた場合は、課税されない制度もあります。遺言書の作成に迷ったときの相談先は、行政書士や司法書士などの専門家です。
- みなし譲渡の消費税の根拠条文は何ですか?
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消費税のみなし譲渡の根拠は、消費税法の第4条と第28条です。
個人事業者の自家消費と、法人が役員にする贈与や低額譲渡は、第4条の定めで、事業として対価を得ておこなった資産の譲渡とみなされます。第28条は、その場合の課税標準を定めています。
取扱いの詳細は、消費税法基本通達の10-1-1、10-1-2、10-1-18に示されているので、あわせて確認しましょう。

