建設業許可を取得したら看板の掲示は義務付けられている?購入方法も解説!

建設業許可を取得したら看板の掲示は義務付けられている?購入方法も解説!

建設業許可を取得したあと、「看板は必ず掲示しなければならないのか」「どこに、どのようなものを出せばいいのか」と悩む方は少なくありません。

実は、建設業許可票の掲示は建設業法で定められた義務であり、掲示方法や内容にも細かなルールがあります。

本記事では、建設業許可票の掲示義務の基本から、具体的なルール、購入方法、掲示しないリスクや更新が必要なケース、よくあるNG例までをわかりやすく解説します。

目次

建設業許可を取得したら看板(建設業許可票)の設置が義務付けられている

建設業許可を取得した事業者は、営業所や一定規模以上の工事現場において、建設業許可票(看板)を掲示する義務があります。

これは、発注者や利用者がその業者が正規に許可を受けているかを確認できるようにするための制度です。

単に許可を取得するだけでなく、適切に掲示してはじめて法令を遵守していると評価されます。

建設業許可の看板(建設業許可票)のルールについて

建設業許可票は、自由なデザインで掲示できるものではなく、記載内容やサイズ、設置場所などについて建設業法で一定のルールが定められています。これらを守らない場合、たとえ掲示していても「不適切な掲示」と判断されるおそれがあります。

ここでは、許可票を作成・設置する際に必ず押さえておきたい基本ルールを、項目ごとに詳しく解説します。 

記載すべき必須事項

建設業許可票には、建設業法で定められた事項を正確に記載する必要があります。

具体的には、下記の情報を記載する必要があります。

  • 商号または名称
  • 代表者の氏名
  • 一般建設業または特定建設業の別
  • 許可を受けた建設業
  • 建設業許可の取得年月日
  • 建設業許可番号
  • 当該事業所で営業している建設業

これらは発注者や利用者が業者の許可状況を確認するための重要な情報であり、省略や誤記があると不適切な掲示と判断される可能性があります。

役員変更や商号変更があった場合は、速やかに内容を修正した許可票へ更新する必要があります。

看板のサイズ・材質

建設業許可票のサイズは、縦35cm以上・横40cm以上と法律で定められています。

これは、誰でも容易に内容を確認できる視認性を確保するためです。材質については特段の指定はなく、金属製・樹脂製・アクリル板・ラミネート加工した紙などでも問題ありません。

ただし、工事現場に掲示する場合は、縦25cm以上・横35cm以上のサイズでも問題ありません。材質は雨風や日光による劣化を防ぐ耐久性のあるものを利用しましょう。

文字が薄れたり破損したりして内容が判読できない状態は、掲示義務を果たしていないと判断されるおそれがあるので、注意が必要です。

設置が必要な場所

建設業許可票は、主たる営業所および建設工事の現場ごとに掲示する必要があります。

営業所では、来訪者や取引先が確認しやすい場所への設置が求められます。

一方、工事現場では、請負費用が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上、木造住宅は1,500万円以上)の工事が対象です。現場掲示は、元請・下請を問わず義務が生じる点に注意が必要です。

現場ごとに許可票を用意する必要があるため、複数現場を抱える事業者は管理体制を整えておくことが重要です。

掲示の位置・方法について

掲示位置は、「公衆の見やすい場所」であることが原則です。

営業所では受付付近や出入口周辺、工事現場では仮囲いやゲート付近など、第三者が容易に確認できる位置が適切とされています。事務所の奥や関係者しか立ち入らない場所への掲示は不適切です。

また、地面に直置きしたり、ものに隠れて見えにくい状態も避けなければなりません。壁面への固定やスタンド設置など、風や振動で倒れない方法を選び、常に判読可能な状態を保つことが求められます。

設置の期限

建設業許可票の設置期限について明確な日数規定はありませんが、許可を受けたあとは速やかに掲示する必要があります。

許可通知書が届いたにもかかわらず、長期間掲示していない場合は、法令遵守意識が低いと判断される可能性があるため注意しましょう。また、更新許可や業種追加、商号変更などがあった場合も、変更後の内容を反映した許可票へ早めに差し替える必要があります。

許可票の未掲示や内容不備は、行政指導や是正対象となることがあるため、許可取得と同時に準備しておきましょう。

建設業許可の看板(建設業許可票)の購入方法・費用

建設業許可票は、自社の状況や予算に応じてさまざまな方法で用意できます。

専門業者に依頼する方法から、通販やホームセンター、自作まで選択肢は幅広く、それぞれにメリット・注意点があります。費用や手間、確実性のバランスを考えながら、自社に合った購入方法を選ぶことが重要です。

以下では、代表的な購入方法と費用感を紹介します。

専門の看板業者に依頼して作成する

看板専門業者に依頼する方法は、もっとも確実で仕上がりの品質が高い点が特徴です。

会社名や許可番号、業種などを伝えるだけで、法令に沿ったレイアウトで作成してもらえるため、記載漏れやサイズ違反の心配がありません。

素材もアルミ複合板やアクリルなど耐久性の高いものを選べるため、屋外掲示や長期使用にも向いています。

費用相場は10,000円〜30,000円程度で、オプションや特注サイズによってはそれ以上になることもあります。初めて許可票を用意する場合に安心な方法です。

インターネット通販で既製品を購入する

インターネット通販では、建設業許可票の既製品やセミオーダー品が多数販売されています。

業種や許可番号などを入力するだけで完成品が届くサービスも多く、手間をかけずに準備できる点がメリットです。

費用は5,000円〜10,000円程度と比較的安価で、納期も早い傾向があります。

ただし、業者ごとにレイアウトや文字サイズが異なるため、購入前に法定サイズ(縦35cm以上・横40cm以上)や記載内容を必ず確認しましょう。

ホームセンターで購入する

一部のホームセンターでは、建設業許可票として使用できる汎用プレートや名入れ対応の看板を取り扱っています。

実物を見て選べる点や、急ぎで必要な場合にその場で購入できる点がメリットです。費用は2,000円〜5,000円程度と比較的安価ですが、建設業許可票専用品でないケースも多く、必要事項を全て記載できるか注意が必要です。

別途シールやカッティング文字を追加して対応する場合もあります。簡易的な掲示や仮設用として活用されることが多い方法です。

自作も可能

建設業許可票は、自作も法律上は可能です。

パソコンで様式を作成し、印刷したものをラミネート加工したり、ボードに貼り付けたりして掲示するケースもあります。費用は数百円〜1,000円程度ともっとも安く抑えられますが、サイズや記載内容、視認性の確保には十分な注意が必要です。文字が小さすぎたり、劣化して読めなくなったりすると不適切掲示と判断されるおそれがあります。

短期間の利用や費用を極力抑えたい場合の選択肢と言えるでしょう。

建設業許可の看板(建設業許可票)を掲示しないリスク

   「建設業許可の看板を掲示しなくても特に問題にならないのでは」と考えてしまう方もいますが、建設業許可票の未掲示にはさまざまなリスクが伴います。法令違反としての行政対応だけでなく、取引先や元請業者からの評価、現場でのトラブル時の対応にも影響します。

ここでは、建設業許可票を掲示しないことで生じる具体的なリスクについて整理していきます。

法令違反として行政指導や改善命令の対象になる

建設業許可票の掲示は建設業法で義務付けられており、未掲示や記載内容の不備は明確な法令違反に該当します。

違反が確認された場合、まずは口頭や文書による行政指導が行われ、期限を区切って是正を求められるのが一般的です。しかし、改善に応じない、または繰り返し違反が認められる場合には、改善命令や指示処分に発展する可能性もあります。

これらは許可更新時の審査にも影響し、法令遵守意識が低い事業者と評価されるおそれがあります。結果として、事業継続や信用面で大きな不利益を被るリスクがあります。 

元請・取引先からの信頼を失う

建設業許可票は、事業者が正規に許可を受け、法令を守って営業していることを示す重要な証明です。

これが掲示されていない現場や営業所では、「本当に許可業者なのか」「管理体制がずさんではないか」といった不安を元請業者や取引先に与えかねません。特にコンプライアンスを重視する元請会社ほど、掲示状況を厳しくチェックする傾向があります。

許可票の未掲示が理由で取引を見送られたり、次回以降の受注から外されたりするケースもあり、営業面での信頼低下につながる点は大きなリスクと言えるでしょう。

監督署や行政の現場パトロールで指摘される

建設工事の現場では、労働基準監督署や都道府県の担当部署による定期的な現場パトロールが行われています。

その際、建設業許可票の掲示状況は必ず確認されるチェック項目のひとつです。未掲示や見えにくい場所への掲示、内容が古いままの許可票などは、その場で是正指導を受ける可能性があります。軽微な違反でも記録として残ることがあり、ほかの法令違反が重なった場合には、より厳しい対応を受けることもあります。

日常的な管理不足が表面化しやすい点に注意が必要です。

現場トラブルの際に責任追及を受けやすくなる

事故や近隣トラブル、施工不良などが発生した場合、事業者の法令遵守状況は厳しく確認されます。

その際、建設業許可票が掲示されていないと、「基本的な義務も守っていない業者」といった印象を与え、責任を重く見られる要因になりかねません。発注者や関係者からの説明要求が厳しくなったり、契約上の責任追及が強まったりする可能性もあります。

本来は別の原因によるトラブルであっても、許可票未掲示といった不備があることで立場が不利になる点は、見過ごせないリスクと言えるでしょう。

建設業許可の看板の更新が必要になるケース

建設業許可票は、一度作成すれば永久に使えるものではありません。

許可の更新や会社情報の変更などがあった場合には、内容を最新のものに修正する必要があります。変更後も古い看板を掲示し続けていると、不適切掲示と判断されるおそれがあります。

それではどのような場合に更新が必要になるのか、代表的なケースを確認しておきましょう。

許可更新を行ったとき

建設業許可は5年ごとの更新制であり、更新をおこなうと「許可年月日」や場合によっては「許可番号の枝番」などが変わることがあります。

建設業許可票には最新の許可内容を正確に記載する義務があるため、更新前の情報が記載されたままの看板を掲示するのは、やめましょう。たとえ許可番号自体が同じであっても、許可年月日が古いままでは、第三者から「更新していないのではないか」と誤解されるおそれがあります。

更新許可通知が届いたタイミングで、許可票の内容を確認し、必要に応じて速やかに作り直すことが重要です。

商号(会社名)を変更したとき

 会社の商号を変更した場合、建設業許可票も必ず更新が必要です。

許可票には「商号または名称」の記載が義務付けられており、旧商号のまま掲示していると、実際の法人情報と一致しない状態となってしまいます。

これは形式的な問題にとどまらず、発注者や元請業者に不信感を与える原因にもなってしまうでしょう。商号変更後は変更届を提出するとともに、営業所や工事現場に掲示している全ての許可票を新しい商号に差し替える必要があります。

代表者が変更になったとき

代表取締役など会社の代表者が変更された場合も、建設業許可票の更新が必要です。

許可票には代表者の氏名を記載する決まりがあるため、旧代表者名のままでは記載事項に誤りがある状態となってしまいます。代表者変更は役員変更届の提出で手続きが完了したと安心しがちですが、掲示物の修正まで含めて対応するのが重要です。

特に現場では、代表者名を確認される場面もあるため、情報が古いと管理体制への不安を招きかねません。変更後は速やかに看板も更新しましょう。 

会社の住所が移転したとき

本店や主たる営業所の所在地を移転した場合、建設業許可票の住所表記も更新が必要です。

許可票には営業所の所在地が記載されるため、旧住所のままでは事実と異なる内容を掲示していることになってしまいます。住所変更は登記や建設業の変更届など複数の手続きが発生するため、看板の更新があと回しになりやすい点に注意が必要です。

行政調査や現場確認の際に不一致を指摘されることもあるため、移転が完了した段階で新住所を反映した許可票へ差し替えるようにしましょう。

対応できる業種が増えた(業種追加)とき

建設業許可で業種追加を行った場合、許可票に記載する「建設業の種類」も変更する必要があります。

業種が増えたにもかかわらず、許可票に反映されていないと、実際には許可を受けている工事であっても、無許可のように見えてしまう可能性があります。これは元請業者や発注者とのトラブルの原因になりかねません。

業種追加の許可通知を受け取ったあとは、追加された業種を含めた内容で許可票を作り直し、全ての掲示場所での更新が必要です。

許可区分(一般/特定)が変更されたとき

 一般建設業から特定建設業へ、またはその逆に許可区分が変更された場合も、建設業許可票の更新が必要不可欠です。

許可票には「一般建設業」「特定建設業」の別を明確に記載する義務があり、区分が異なるまま掲示していると、許可内容を誤って表示していることになってしまいます。特に特定建設業は大規模工事に関わる重要な区分であるため、誤表示は信用面への影響も大きくなる可能性が高いです。

区分変更の許可が下りたら、速やかに正しい区分を反映した看板へ更新しましょう。

建設業許可の看板設置でよくあるNG例

建設業許可票は掲示していても、設置場所や内容によっては「形式だけ整えている状態」になってしまうことがあります。実際の行政指導や現場確認では、細かな点までチェックされるため、ありがちなミスを把握しておくことが重要です。

ここでは、多くの事業者が陥りやすいNG例を紹介し、適切な掲示のポイントを整理します。 

事務所の目立たない場所に設置している

建設業許可票は「公衆の見やすい場所」への掲示が原則ですが、事務所の奥や倉庫内、関係者以外立ち入らない部屋などに設置しているケースはよくあるNG例です。

形式的に掲示していても、来訪者や取引先が容易に確認できなければ、掲示義務を十分に果たしているとは言えません。特に受付の背面や棚の陰など、意図せず視認性が低くなっている場合も注意が必要です。

行政調査では「誰が見ても確認できるか」といった点が重視されるため、入口付近や受付周辺など、明確に目に入る場所への設置が必要です。

工事現場に掲示していない・掲示忘れ

営業所には掲示しているものの、工事現場への掲示を忘れているケースも非常に多いNG例です。

一定金額以上の工事では、現場ごとに建設業許可票を掲示する義務がありますが、短期間の工事や複数現場を同時に抱えている場合、準備が追いつかず未掲示のまま工事が進んでしまうことがあります。しかし、現場掲示は行政のパトロールでもっとも確認されやすい項目のひとつです。

「うっかり忘れていた」では済まされず、是正指導の対象となるため、現場着工前のチェック体制を整えておくことが重要です。

許可番号・代表者名などの記載内容が古いまま

許可更新や代表者変更、商号変更などがあったにもかかわらず、建設業許可票の内容を更新していないケースも典型的なNG例です。

見た目上は掲示されていても、記載内容が事実と異なっていれば不適切な掲示と判断されます。特に許可年月日が古いままでは、「更新していないのではないか」と誤解されるおそれがあります。

変更届の提出で安心してしまい、看板の差し替えを失念する事業者も多いため、許可内容に変更が生じた際は、掲示物の更新まで含めて対応する意識が必要です。 

サイズが小さすぎて読みづらい

建設業許可票には、縦35cm以上・横40cm以上といった法定サイズが定められていますが、これを下回る小型のプレートや、文字が極端に小さい看板を使用している例も見受けられます。

遠目から内容が確認できない、近づかなければ読めない状態では、掲示の趣旨を満たしていません。特に工事現場では、仮囲いやフェンス越しに確認されるため、十分な大きさと文字サイズが求められます。

省スペースを優先した結果、サイズ違反になる点は注意が必要です。

必要な情報が抜けている

建設業許可票には、商号または名称、代表者名、許可区分、許可番号、許可年月日、建設業の種類、行政庁名など、法令で定められた必須事項があります。

これらのうち一部が欠けている看板は、たとえサイズや設置場所が適切でもNGです。特に業種の記載漏れや、一般・特定の区分未記載は多いミスです。

デザイン性を重視しすぎて情報を省略してしまうケースもあるため、作成時には必須事項が全て網羅されているか、事前に確認するのが重要です。

まとめ

建設業許可票の掲示は、建設業許可を取得した事業者にとって欠かせない法的義務です。

記載内容やサイズ、設置場所を正しく守ることはもちろん、許可更新や会社情報の変更があった際には速やかな看板の更新も必要です。

未掲示や不備は行政指導や信頼低下につながるおそれがあるため、軽視は禁物です。自社の掲示状況を一度見直し、ルールに沿った適切な管理を心がけましょう。

編集者

  • ai行政書士法人のWeb編集部です。身近な街の法律家として、みなさまに分かりやすく情報をお届けします。

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