外国人採用の注意点は?フェーズ別の解説と2026年最新の法的リスク管理

日本国内の人手不足は深刻さを増し、外国人材の活用を検討する企業が増加しています。しかし、外国人採用には日本人を採用する場合とは異なる手続きや管理責任が伴います。
本記事では、外国人採用の各フェーズにおける注意点と、育成就労制度への移行を見据えた対応のポイントをわかりやすく解説します。事前に注意点を把握し、社内の体制を整えてから採用活動を開始しましょう。
外国人採用を取り巻く法規制の動向
外国人労働者受け入れの門戸は広がっている一方、不法滞在に対する監視の目と罰則が強化されています。まずは、外国人採用を取り巻く法規制が近年どのように変わってきているのかを見ていきましょう。
不法就労助長罪の適用範囲が拡大
不法就労助長罪とは、不法就労をさせた雇用主に対して3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金を科す重い罪です。在留資格が切れている人や、就労できる在留資格をもっていない人、業務内容に見合った適切な在留資格をもっていない人を働かせるのは不法就労の助長にあたります。
注意すべきは、知っていて働かせただけでなく、不注意で確認を怠り結果的に働かせてしまった場合にも適用される点です。近年、警察や入管当局は企業の確認体制を厳しく追及しています。
例えば、外国人本人から提示された在留カードの偽造に気づかなかった場合でも、ICチップの読み取り確認など、現在の技術水準で可能な確認を怠っていれば、過失があるとみなされます。直接の雇用主だけでなく、現場を管理する元請けや派遣先も責任を問われるケースが増加傾向です。
特定在留カード導入による本人確認事務の変化
2026年6月14日から、マイナンバーカードと在留カードを1枚に集約した「特定在留カード」の運用が始まります。特定在留カードの取得は任意ですが、行政手続きが便利になるなどのメリットがあります。
最近の偽造カードは、表面のホログラムや透かし文字が非常に精巧に作られており、プロでも目視だけで見破るのは困難です。 現行の在留カードも特定在留カードも、ICチップを読み取ることで本物かどうかを確認できます。
政府は、企業に対してカードリーダーやスマートフォンアプリを用いたICチップ情報の読み取りによる真贋判定を実務上の義務として求めています。確認を怠って不法就労させないよう、確認フローの徹底が重要です。
マイナンバー連携による税・社会保険料支払い状況の把握
マイナンバー紐付けにより、出入国在留管理庁はマイナンバーをもとに外国人の住民税納付状況や社会保険への加入状況を瞬時に照会できるようになります。
これまでは、更新申請時に納税証明書を提出するまで発覚しなかった滞納が、リアルタイムで当局に把握されます。税金や健康保険料の滞納があると「素行が善良でない」とみなされ、在留期間更新が不許可となるリスクが高いです。
社員の私生活における納税状況まで雇用主が完全にコントロールするのは困難です。しかし、在留期間が更新できず帰国を余儀なくされることがないよう、給与からの特別徴収を徹底するなど未納を発生させないしくみ作りが求められます。
永住許可の取消制度厳格化
2024年の法改正で、これまであいまいだった永住許可の取消基準が法律に明記され、対象が大幅に拡大されています。これまでは虚偽申請や重大な犯罪などが主な取消対象でしたが、法改正によって以下の行為が許可取消対象となりました。
- 故意に税金や社会保険料を支払わない
- 入管法上の義務違反(在留カードの更新・携帯義務など)
- 拘禁刑に処せられた場合
永住権をもつ外国人は、日本人と同様に制限なく働けるため、企業にとっては長期雇用の要となる存在です。しかし、「永住者だから安心」は過去の話です。
万が一永住者が永住権を失った場合、日本に留まるためには就労できる在留資格への変更が必要です。ただし、その時点で学歴や職歴が就労ビザの要件を満たしていなければ、国外退去を余儀なくされます。
長年会社に貢献してきたベテラン人材を、一時の公的義務違反で失うことは、企業にとって大きな損失です。社員に対するコンプライアンス教育の必要性が高まっています。
外国人採用の全体像ー募集から定着までの標準フロー
外国人を採用し、会社の戦力として長期的に活躍してもらうためには、法的なポイントを押さえた一連の採用フローを確立する必要があります。
採用計画の策定
まずは採用したいポジションのペルソナを明確にしましょう。外国人の場合、スキルや価値観よりも、在留資格が最優先です。外国人は在留資格で定められた範囲の業務しかおこなえないため、採用活動のファーストステップで業務内容を特定する必要があります。さらに、その業務をおこなうために必要な在留資格を把握しましょう。
次に、採用ターゲットを日本国内にいる外国人にするか海外から呼び寄せるかを検討します。国内採用の場合、留学生や転職希望者をターゲットとします。面接は行いやすい一方、競合との人材獲得競争が激しく給与水準が高騰しがちです。
海外採用の場合は提携校や現地の送り出し機関を活用します。若手の意欲の高い人材を採用しやすいですが、渡航費などの初期コストと手続きの時間がかかるデメリットがあります。
各採用ルートごとに十分なリードタイムを確保した採用スケジュールを立てましょう。在留資格の手続きに数ヵ月を要することを見込んで、採用予定日から逆算して半年以上前に募集を開始することを強くおすすめします。
面接〜内定、雇用契約締結
本人の日本語能力や業務に関連するスキルだけでなく、ICチップ読み取りによる在留カードの真贋判定を必ずおこないます。在留期限まで余裕があるか、予定していた在留資格をもっているかを確認しましょう。
海外からの呼び寄せの場合は、在留資格を取得する手続きをおこなうため、内定を出した時点では在留資格の取得要件(学歴、職歴など)を満たすことが確認しましょう。
雇用契約の締結にあたっては、雇用契約書または労働条件通知書は外国人本人が確実に理解できるよう、母国語の翻訳をつけましょう。
また、万が一入社日までに適切な在留資格の取得が確認できない場合は契約の効力が生じないこととする定めを盛り込んでおくことをおすすめします。
在留資格申請〜入国、就労開始
必要な在留資格の手続きは状況により異なります。海外からの呼び寄せの場合は在留資格認定証明書交付申請(COE申請)、留学生や転職により在留資格が変わる場合は、在留資格変更申請が必要です。
前職と同職種のため在留資格の変更が必要ない場合でも、職場が変わったことの届出は必須です。また、次の在留期間更新に備えて、就労資格証明書の交付申請をおこなうことを強くおすすめします。
特に海外から呼び寄せる場合は、住居の手配や行政手続き、銀行口座の開設など、生活基盤を整えるサポートも重要です。生活ルールの指導なども最初が肝心です。定着してもらうための必要コストと割り切り、担当者のリソースをしっかり確保しましょう。
在留資格の手続きについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

入社後の継続的な在留管理
入社して一安心、というわけにはいきません。外国人社員は、住所が変われば役所へ、会社が変われば入管へ届け出る義務があります。また、在留期間の更新は確実に期限までに行わなければなりません。
担当者の記憶頼みでは、うっかり期限を忘れて不法就労となるリスクがあります。自動でアラートが出る管理システムの導入がおすすめです。更新申請は期限の3ヵ月前から可能なため、期限直前になって慌てないよう余裕をもったスケジュールを組んでおきましょう。
在留資格申請や在留期限の管理について不安がある方は、ai行政書士法人へお気軽にご相談ください。
在留カード確認のポイント
在留カードの確認は雇用主の義務です。内定を出す前はもちろん、変更や更新のタイミングでも定期的にカードの提示を求めて確認しましょう。
そもそも在留カードが本物か
闇ルートを通じた偽造在留カードの流通は後を絶ちません。出入国在留管理庁が提供しているアプリケーションを活用し、ICチップ情報の読み取りを徹底しましょう。
ICチップ内のデータは改ざんが極めて困難なため、アプリに表示された写真・名前と、手元のカードが一致するかを確認するだけで、不法就労のリスクは劇的に低下します。
確認記録を保存する際は、マイナンバー(個人番号)の取り扱いに注意が必要です。特定在留カード等で番号が表示される場合は、番号部分をマスキングするか、確認結果のみを台帳に記録する運用を検討してください。また、保存した画像データは「特定個人情報」として厳格に管理し、採用活動終了後は速やかに廃棄するフローを構築しましょう。
就労できる在留資格であるか
カード表面の就労制限の有無を確認しましょう。文言のパターンと意味は以下のとおりです。
| 記載されている文言 | 意味と雇う際の注意点 |
| 就労制限なし | 日本人と同様、どのような仕事でも制限なく働ける |
| 在留資格に基づく就労活動のみ可 | 許可された専門分野(例:エンジニア、通訳、経理など)の仕事だけができる |
| 就労不可 | 原則働けない。ただし、裏面を見て「資格外活動許可」があれば、週28時間以内のアルバイトが可能 |
| 指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可 | パスポートに貼られた「指定書」に書かれている会社でしか働けない |
| 指定書により指定された就労活動のみ可 | パスポートに貼られた「指定書」に書かれている仕事しかできない |
「就労制限なし」となるのは永住者などに限られています。基本的には就労活動には制限があるため、在留資格の種類なども併せて確認することが重要です。
留学生などの場合は資格外活動許可があるか
留学生や家族滞在者をアルバイトで雇う際、在留カード裏面に「資格外活動許可」があれば原則として週28時間以内の範囲で働けます。
28時間には残業時間や他社で働く時間も含まれるため、企業としては労働時間の管理を本人任せにせず、確実に把握することが大切です。
留学生のアルバイトについては以下の記事も参考にしてください。

在留期限が切れていないか
在留期限切れ(オーバーステイ)は、故意でなくても即座に不法滞在となります。
ただし、更新申請を済ませている場合、カードの裏面に「在留資格変更(期間更新)許可申請中」というスタンプが押されます。このスタンプがあれば、期限が過ぎても最大2ヵ月の特例期間中は滞在・就労が可能です。
更新申請の状況を確認するのも企業の義務です。「昨日申請しました」と報告を受けるだけでなく、在留カードや受領印のある申請書の控え、オンライン申請の完了通知などを提出させ、担当者みずからの目で確認しましょう。
業務内容がもっている在留資格の活動範囲内か
従事させる業務の内容が、もっている在留資格の活動範囲内でなければならないことは、人事担当者だけでなく現場も知っておく必要があります。
例えば、システムエンジニアのポジションで採用した「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもつ人材に工場のライン作業をさせた場合、不法就労にあたる可能性が高いです。
職務記述書(ジョブディスクリプション)と実態がかけ離れていないか、雇い入れ時だけでなく定期的な内部監査をおこないましょう。
在留資格申請で不許可リスクを下げるための注意点
在留資格申請には多くの書類が必要です。1つ1つの正確性はもちろん、書類全体として矛盾がないことや、審査官が納得いく説明が尽くされていることが重視されます。
学歴・職歴と業務内容の整合性を証明する
在留資格「技術・人文知識・国際業務」などの場合、本人の学歴や職歴とこれから従事する業務との間に密接な関連性があることを証明しなければなりません。
経済学部を卒業した人材が翻訳者として働く場合など、客観的に関連性が認めにくいケースでは、より詳細な説明が必要になります。
この場合、経済学の専門知識を用いた海外マーケット分析や契約書の翻訳実務がメインであることを証明する資料を添付するとよいでしょう。
日本人と同等以上の給与水準を証明する
同一労働同一賃金の原則により、外国人の給与水準は同じ業務をおこなう日本人と同等以上である必要があります。
単に基本給が同じであればよいのではなく、昇給制度や賞与の算定基準が日本人と同じかどうかもチェック対象です。
同一の業務をおこなう日本人社員がいない中小企業の場合、近隣の類似企業の求人票を資料として提出するなど、賃金が不当に低くないことを客観的に証明する工夫が求められます。
手続きを本人任せにしない
本人の日本語能力が高いとしても、書類作成を本人任せにするのは危険です。過去の申請内容との矛盾した内容で申請する、履歴書の内容を実態より盛るなどの行為が虚偽申請を疑われる原因となります。
業務内容や企業の経営の安定性など、雇用主の協力が必須の書類もあるため、そもそも本人が作成した書類だけでは申請できません。専門の行政書士に依頼して書類の整合性を確認するなど、企業が責任をもって手続きをサポートすることが大切です。
在留資格申請代行については、ai行政書士法人へお気軽にご相談ください。
外国人の入社手続きの注意点
内定を出してから実際に就労するまでの手続きにおいても、さまざまな注意点があります。
標準処理期間を考慮した入社スケジュールの策定
入管が公表している在留資格申請の標準処理期間は以下のとおりです。
| 申請の種類 | 標準処理期間 |
| 在留資格認定証明書交付申請(COE) | 1〜3ヵ月 |
| 在留資格変更許可申請 | 2週間〜1ヵ月 |
| 在留期間更新許可申請 | 2週間〜1ヵ月 |
| 就労資格証明書交付申請 | 当日〜3ヵ月(転職時は時間がかかる) |
上記はあくまで申請書類が受理されてからの期間です。書類の収集や作成にかかる時間を考慮すると、さらに期間は延びます。 1〜3月は申請が混み合うため、新卒採用など4月入社を予定している場合は、前年の12月には申請を完了させるのが理想的です。
現実的に可能なスケジュールで現場の配属計画や住居の手配を進めましょう。
申請中の在留期限経過に伴う特例期間中の就労可否判断
在留期限の満了日までに更新や変更の申請が受理されていれば、結果が出るまでの最大2ヵ月間、現在のビザの効力が継続されます。 変更申請中の場合、特例期間中は申請前の在留資格の範囲でしか働けません。
例えば「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請中は「留学」の在留資格の資格外活動として認められていた週28時間以内のアルバイトしかできません。許可が出る前にフルタイムで働かせると不法就労となるため要注意です。転職により在留資格を変更する場合は、許可が出てから就労してもらいましょう。
母国語またはやさしい日本語による労働条件通知
労働条件の合意は、法的義務であると同時に、労働者本人と会社の間での認識合わせでもあります。労働条件通知書は外国人本人の母国語の翻訳をつけ、確実な理解を促しましょう。
生成AIを活用して多言語翻訳が容易になっていますが、法的なニュアンスが変わらないように注意が必要です。社内に外国人の母国語を深く理解している人材がいない場合は専門家への依頼をおすすめします。
また、口頭で説明する際も、本人の日本語能力に合わせて通訳を同席させる、やさしい日本語を用いるなどの配慮をするとよいでしょう。
外国人も社会保険の加入義務がある
外国人も日本人と同様、一定条件を満たすと社会保険への加入義務があります。マイナンバーと在留資格の情報が紐付けられることにより、社会保険の未加入や滞納が即座に入管に把握されるようになりました。
社会保険の加入義務があるにもかかわらず未加入の状態で在留期間更新申請を行うと、ほぼ確実に不許可になります。社会保険料の企業負担分は優秀な人材を雇用するための必要コストと考え、確実に加入・支払いをおこないましょう。
ハローワークへの外国人雇用状況届出を忘れずに
雇用保険に加入する外国人は、ハローワークへの「資格取得届」に在留資格や期限、国籍などを記入して提出します。雇用保険に入らない人を雇った場合でも「外国人雇用状況届出」の義務があります。
届出を忘れると、労働者1人につき最大30万円の罰金の対象です。届出の有無は入管にも連携されるため、届出を怠っている企業に雇用されるための在留資格申請は通らない可能性があります。入社・退社手続きのフローには必ずハローワークへの届出を含めておきましょう。
採用後の職場環境における注意点
異なる文化や習慣をもつ外国人を採用する場合、採用後のフォローも手厚くおこなう必要があります。
文化や宗教の違いを考慮した就業規則のアップデート
日本人同士の当たり前や暗黙の了解を外国人に押し付けるのはやめましょう。コミュニケーションのとり方や宗教・文化に対する無理解は早期離職に繋がりかねません。
例えば、ムスリムの社員がいれば、1日5回の礼拝時間(1回10〜15分程度)や、金曜日の集団礼拝、ラマダン(断食)期間中の体調管理への配慮が必要です。
あらかじめ宗教的配慮に関する規定を就業規則に加えて周知することで、職場全体の理解が得やすくなります。
会社の忘年会などの場面でも、ハラールやベジタリアンの選択肢を用意するなど配慮すると「大切にされている」という実感に繋がり、エンゲージメントを高めます。
スムーズな受け入れのための教育
外国人社員が早期に適応できるよう、日本特有のビジネスマナーや報連相の背景を丁寧に教育する必要があります。
テキストよりも視覚的な情報のほうが言語の壁を越えて伝わりやすく、何度も見返すことができます。イラストや図を多用したマニュアルや、作業手順を示す動画を作成しておくと、仕事を覚えやすいでしょう。
日本人社員に対しても異文化理解やコミュニケーションの研修を実施し、外国人の同僚に対してどのように伝えると誤解が生じないかをレクチャーするのもおすすめです。受け入れ側の心理的ハードルを下げることも、オンボーディングの重要な要素です。
行政手続きや生活の支援
日本に来て間もない外国人は生活インフラの確保にも一苦労です。 銀行口座の開設、住居の賃貸契約、スマートフォンの契約など、暮らしのサポートも会社が担います。
丁寧なフォローを怠ると、本人が精神的に参ってしまったりトラブルに巻き込まれたりして、仕事どころではなくなってしまいます。生活面のメンター(相談役)を決め、定期的に面談を行う体制を整えるとよいでしょう。
悪質な引き抜きやブローカー対策としての相談窓口設置
SNSを通じて「今の会社より給料を5万円高くする」と甘い言葉で誘い、不当に転職を促すブローカーが存在します。外国人から多額の手数料を徴収したり、違法な現場に送り込んだりするのが目的です。
会社は本人のキャリアプランに真摯に向き合っていることを示しましょう。定期的なキャリア面談を行い、「この会社で頑張れば特定技能2号(家族帯同可)になれる」「将来はリーダーを任せたい」などとビジョンを共有します。
社内に気軽に相談できる環境があれば、怪しい勧誘から社員を守り、会社の人材流出も防げます。
育成就労の制度移行期を乗り切るためのポイント
従来の技能実習制度は、2027年4月に育成就労制度へ完全移行を予定しています。2026年はまさに準備の年。新制度を把握し、適切に対応しましょう。
2027年4月施行予定の育成就労制度とは?
これまでの技能実習制度は、名目上は国際貢献をうたっていましたが、実質的に人手不足解消の手段として使われるなど矛盾が指摘されてきました。新しく始まる育成就労制度は、明確に人材確保と育成を目的としています。
未経験からでもスタートでき、3年間の就労を通じて特定技能1号レベルの技能と日本語能力を身につけさせることをゴールとしています。企業側は単に労働者として働かせるだけでなく、長期的な視点で育成することがより強く求められるようになります。
転籍制限の緩和による人材流出リスクと対策
育成就労制度においては、一定の要件(日本語能力A1以上、同一企業での1年以上の就労など)を満たすと、本人の希望による転籍(転職)が認められます。
これまでとは異なり、劣悪な環境の企業からは人がいなくなり、好条件の企業に人が集まるという人材の流動化が起こるでしょう。
地方の企業や中小企業は、賃金だけで大都市の大企業と競うのは困難です。だからこそ、住環境の提供、地域コミュニティとの繋がり、家族のような温かいサポートといったソフト面での魅力を磨き、転籍の動機をなくす戦略が重要です。
特定技能16分野への拡大により新たな職種での採用可能性
2024年に特定技能の対象分野が追加され、2026年現在は自動車運送、鉄道、林業、木材産業などを含む16分野での採用が可能です。これまで外国人採用を検討していなかった業界でも、一気に門戸が広がっています。
各分野には、独自の協議会への加入や、業界特有の教育訓練が義務付けられているため、該当業種の企業では早期に調査して制度を活用するとよいでしょう。
旧制度下で雇用中の外国人に対する経過措置
育成就労制度が始まった時点で既に技能実習生として働いている外国人は、現行の計画のまま最後まで働ける経過措置の対象です。しかし、その後特定技能への移行する場合、新制度の日本語試験等の基準をクリアしていることが求められます。
移行期間中に日本語学習の機会を提供することで、日本でのキャリアを望む社員が制度変更に伴って帰国せざるを得ない事態を防ぎましょう。

まとめ
外国人採用には、日本人採用にはないさまざまなルールがあります。社内の人事担当者だけで完全に把握し、ミスのない運用を続けるのは至難の業です。「知らなかった」「忘れていた」という人的なミスが、貴重な人材を失ったり、社会的な信用を失ったりする事態に繋がりかねません。
社員教育や生活のサポートにも担当者のリソースを割く必要があるため、各種手続きについては行政書士や社労士との連携を強くおすすめします。専門家と役割分担をして法的リスクに備えることが、長期的に適切な運用を続ける鍵です。
ai行政書士法人では、在留資格に関するご相談を受け付けています。外国人採用を検討している企業の担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
