建設業許可の取得条件とは?法人・個人や一般・特定別に解説!

建設業許可の取得条件には、法人・個人を問わず満たすべき共通の条件があり、さらに一般建設業と特定建設業では求められる基準が異なります。要件がいくつもあり、最初は「自社は許可が取れるのだろうか」と身構えてしまうかもしれません。しかし、ひとつずつ整理して確認していけば、対応すべきポイントが見えてきます。
本記事では、経営業務の管理責任者や営業所技術者の配置、財産的基盤の確保、誠実性や欠格要件への対応など、許可取得に必要な条件を法人・個人別、一般・特定別に整理しました。条件を満たせない場合の対策もあわせて確認し、許可取得への準備を進めましょう。
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【取得条件確認の前に】建設業許可についておさらい
建設業許可の取得条件を確認する前に、まずは建設業許可の基本を簡単に整理しておきましょう。
建設業許可とは?
建設業許可とは、一定規模以上の工事を請け負う際に必要となる国や都道府県の許可制度です。具体的には、建築一式工事で1,500万円以上、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事を除く工事で、そのほかの工事は500万円以上の請負契約を結ぶ場合に許可が必要です。請負金額はいずれも税込金額で判断される点に注意しましょう。
建設業許可は、事業者の経営基盤や技術力、法令遵守体制を審査し、健全な建設業の発展と発注者の保護を目的としています。許可を得ることで、公共工事への参入や金融機関からの信用力向上にもつながり、建設業を安定的に営むための基盤が強固になります。
建設業許可の種類は大きく2つ
建設業許可は「一般建設業」と「特定建設業」の2種類に分けられます。
| 区分 | 主な対象工事 | 下請契約に関する基準 |
|---|---|---|
| 一般建設業 | 住宅工事や改修工事など中小規模の案件 | 下請契約1件あたり5,000万円未満 (建築一式工事は8,000万円未満) |
| 特定建設業 | 高層ビル建設、橋梁・道路などの公共インフラ工事(大規模工事を元請としておこない、下請契約が一定額を超える場合) | 下請契約1件あたり5,000万円以上 (建築一式工事は8,000万円以上) |
表中の下請契約に関する金額基準は、令和7年(2025年)2月1日の建設業法施行令改正により、それ以前の基準(4,500万円・建築一式工事は7,000万円)から引き上げられたものです。一般建設業と特定建設業の違いをより詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

建設業の業種は全部で29種類
建設業許可は、請け負う工事の種類によって29業種に分けられています。大きく分けると「一式工事業(2業種)」と「専門工事業(27業種)」の2カテゴリーです。
一式工事業には建築一式工事と土木一式工事があり、大規模な建物や道路、橋などを総合的に取りまとめる業種です。専門工事業27業種は、一式工事に含まれる部分的な工事を担う業種で、大工工事やとび・土工・コンクリート工事、電気工事、管工事など多岐にわたります。自社が請け負う工事内容に対応する業種が複数ある場合は、一度に複数業種の許可を取得できます。
建設業許可の有効期限と更新手続き
建設業許可の有効期限は5年間です。更新するには有効期限満了日の30日前までに手続きをおこなう必要があり、期限を過ぎると許可は失効します。更新申請時には新規取得時と同様に、要件を満たしているかがあらためて確認されます。
更新の流れは、必要書類(決算書や経管・技術者の証明書など)の準備、更新申請の提出、審査を経て、新しい許可通知の交付という順序です。許可の継続は取引先からの信用維持に直結するため、余裕をもって手続きを進めましょう。
建設業許可の取得条件①経営業務の管理責任者(経管)がいること
建設業許可を取得するためには、工事の遂行だけでなく会社全体の経営を適切に管理できる人物の存在が欠かせません。その役割を担うのが「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」です。
常勤役員等(経営業務の管理責任者等)とは?
「常勤役員等」とは、実務では従来から「経営業務の管理責任者(通称:経管)」と呼ばれています。建設業を適切に運営するための経営経験や管理能力をもち、事業全体を統括できる人物を指します。
法人では役員、個人事業主では本人や支配人として、建設業の経営に関する一定の経験を有していることが原則条件です。経管の存在は、建設業が高額かつ社会的影響の大きい事業であることを踏まえ、許可権者である国や都道府県が許可を与える際の重要な判断基準です。
常勤役員等の要件
常勤役員等になるためには、原則として「建設業の経営に関し5年以上の経験」が必要ですが、それ以外にも代替となるルートが用意されています。
| 区分 | 認められる経験 | 必要な経験年数 |
|---|---|---|
| イ(1) | 経営業務の管理責任者としての経験 | 5年以上 |
| イ(2) | 経営業務の管理責任者に準ずる地位(経営業務の執行権限の委任を受けた者に限る)としての経験 | 5年以上 |
| イ(3) | 経営業務の管理責任者に準ずる地位での補佐経験 | 6年以上 |
| ロ | 役員等としての経験に加え、財務管理・労務管理・業務運営の補佐者(各5年以上の経験者)を配置 | 役員等経験2年以上+補佐者配置 |
ここでいう「経営経験」とは、取締役や代表、個人事業主として実際に経営業務を担った期間を指し、単なる従業員や現場監督の経験は含まれません。許可申請の際には、登記事項証明書や確定申告書、工事契約書などを提出して経験を裏付ける必要があります。要件を満たす経管が不在だと許可申請は受理されません。
「自分の経歴で本当に要件を満たせているのか」と不安に感じる方は多いです。経験の数え方や証明できる資料の組み合わせは状況によって変わるため、早めに専門家へ自社の経歴を確認してもらうと、気持ちが楽になるはずです。
常勤役員等(経管)の要件をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

法人・個人での違い
経営業務の管理責任者に求められる条件は、法人か個人事業主かによって異なります。法人の場合は、取締役や執行役員、あるいはこれに準ずる地位にある者が経管となる必要があります。たとえば建設会社の役員として5年以上経営判断を担ってきた人物が該当し、形式的に名前だけ載せている役員では認められません。
一方、個人事業主が建設業許可を取得する際は、申請者本人が経管となるのが原則です。たとえば個人で5年以上工務店を営んできた事業主本人が、そのまま経管として認められるケースが典型例です。いずれの場合も、要件を満たす経管を置けなければ許可は下りません。
建設業許可の取得条件②営業所技術者が営業所ごとにいること
経営面の責任者に加え、技術的な面で工事を管理できる体制を整えることも重要です。その中心となるのが「営業所技術者(旧名称:専任技術者)」です。
営業所技術者とは?
営業所技術者とは、建設工事の技術的な部分に責任をもち、適正に施工を管理する役割を担う人物のことです。「営業所」とは単なる事務所ではなく、契約締結や工事管理をおこなう拠点を指すため、形式上の配置ではなく、実際に常勤して日常的に指導・監督ができる必要があります。
営業所技術者は建設業の品質確保や事故防止の要であり、発注者に対しても、「工事を技術的に遂行できる体制が整っている」という信頼を示す存在です。なお、「営業所技術者等」は、2024年12月の法改正により「専任技術者(専技)」から名称が変更されましたが、要件や役割は従来と変わりません。
営業所技術者に認められる資格・経験とは?
営業所技術者になるには、一定の資格または実務経験が必要です。
一般建設業の場合、以下の方法で要件を満たせます。
- 建設業法で指定された国家資格(1級・2級施工管理技士、建築士など)を保有している
- 指定学科(建築学科や土木工学科など)を卒業している場合は高卒で5年、大卒(短期大学含む)で3年の実務経験
- 学歴の要件を満たさない場合は10年以上の実務経験
特定建設業では、より高度な技術力が求められるため、次のいずれかに該当する必要があります。
- 1級の国家資格者(1級建築施工管理技士、1級建築士など)
- 監理技術者資格者証の保持者
- 一般建設業の専任技術者要件を満たした上で、元請として請け負った4,500万円以上の工事について、2年以上の指導監督的実務経験を有する者
ただし、指定建設業7業種(土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)では、指導監督的実務経験のみでは特定建設業の営業所技術者になれません。原則として1級の国家資格が必要になる点に注意しましょう。
資格や実務経験の条件は細かく、「自分の資格や経験は当てはまるのだろうか」と迷う方も多いです。ひとつずつ照らし合わせていくと、多くの場合は該当する経路が見えてきます。
参考:許可の要件(国土交通省)
参考:監理技術者等の専任義務の合理化・営業所技術者等の職務の特例(国土交通省)
法人・個人での違い
営業所技術者の配置要件は、法人か個人事業主かによって若干異なります。法人の場合は、営業所ごとに1名以上の技術者を置く必要があり、その者は役員や社員として常勤していなければなりません。形式的に名義だけを借りることは認められず、実態として営業所に勤務していることが必須です。個人事業主の場合は、申請者本人が資格や経験を満たしていれば営業所技術者となれます。ただし営業所が複数あるときは、それぞれに技術者を配置する必要があります。
経管や営業所技術者の要件は専門的でわかりにくい部分も多いため、自社の経歴が条件を満たすか不安な方は、ai行政書士法人の初回無料相談でご確認ください。
建設業許可の取得条件③財産的基盤(財産要件)を有すること
工事を安定的に進めるには、十分な資金力や財務の健全性が欠かせません。建設業許可では「財産的基盤」の有無も審査されます。
財産的基礎とは?
「財産的基礎」とは、会社や個人事業主が安定的に経営を継続できるだけの資金力や財務体質を指します。
建設業は高額な工事を請け負うことが多く、資金不足により工事が中断すると、発注者や取引先に大きな損害を与えかねません。そのため、許可権者は経営の安定性を確認する目的で財産的要件を課しています。つまり財産的基盤とは、単なる資金の多寡ではなく、工事を責任もって遂行するための経済的な信頼性を示す基準です。
財産的基礎を有することの要件
一般建設業と特定建設業では、財産的基盤に求められる基準が異なります。
一般建設業では、次のいずれかを満たす必要があります。
- 自己資本(純資産額)が500万円以上
- 500万円以上の資金調達能力がある
- 直近5年間、建設業許可を受けて継続して営業していた実績がある
一方、特定建設業では要件が厳格です。
- 資本金2,000万円以上
- 自己資本4,000万円以上
- 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
- 流動比率が75%以上であること
条件を満たさない場合は許可が下りないため、増資や資本注入、財務内容の改善により基盤を整備することが大切です。資金面の話になると、不安や焦りを感じる方も多いでしょう。しかし、資金調達の方法はひとつではないため、自社に合った進め方を専門家と一緒に探っていけます。不安な場合は、建設業許可に詳しい行政書士や税理士に相談しましょう。
ai行政書士法人では、建設業許可取得についてのご相談を受け付けています。小さなことでもお気軽にお問い合わせください。
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法人・個人での違い
法人と個人事業主では、財産的基盤の証明方法に違いがあります。法人の場合は、直近の決算書や貸借対照表をもとに純資産額や負債構成、欠損比率、流動比率などが審査されます。個人事業主の場合は企業決算書がないため、確定申告書や貸借対照表(または試算表)、預金残高証明書などを併用して、自己資本として計算できる金額を算出して審査します。
両者に共通するのは、債務超過や負債過多の状態では審査に耐えられない可能性が高い点です。申請前に増資や内部留保の見直しで財務基盤を整えておきましょう。法人・個人で建設業許可を取得する際の条件をより詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。

建設業許可の取得条件④誠実性があること
建設業は公共性の高い事業であるため、誠実に契約を履行できるかどうかも審査対象です。
「誠実性があること」とは?
誠実性とは、請負契約の締結やその履行に際して不正や不誠実な行為をおこなうおそれがないことを意味します。建設業法では、誠実性の要件を満たさない場合には許可を与えないと定めており、単なる道徳心ではなく、法令や契約を遵守する姿勢が求められます。
どのような場合に「誠実性なし」とされる?
虚偽の書類提出や談合・不正入札への関与、下請代金の不当な未払いなどは、典型的に誠実性を欠くと判断されます。また、手抜き工事や安全管理の不備による事故、経理処理での粉飾なども、誠実な業務遂行の姿勢が欠けているとみなされます。許可権者は申請書類や登記事項証明書、過去の行政処分歴を精査し、信頼を損なうおそれのない事業者かどうかを確認します。
過去の処分歴がある場合はどうすればいい?
過去に行政処分を受けていても、建設業許可が永久に取れなくなるわけではありません。違反内容が軽微であれば、一定期間の経過後に再申請が認められる場合があります。ただし、許可取消処分を受けたときは原則5年間は申請できません。重要なのは、処分理由を正確に理解し、再発防止策を講じている姿を示すことです。
法令遵守体制の整備や社内規定の見直しを進めれば、誠実性を回復する姿勢として評価されます。申請時には過去の処分歴を正直に記載する必要があり、虚偽報告をすれば再び「誠実性なし」と判断されてしまいます。
建設業許可の取得条件⑤社会保険に加入していること
2020年の建設業法改正以降、適切な社会保険への加入も建設業許可の取得条件のひとつとなりました。
社会保険加入が必要とされる理由
建設業界で働く人々の福利厚生を向上させ、持続可能な産業としての基盤を強化することを目的とした施策です。適切な社会保険に加入しない状態が続くと、許可の更新ができなくなるだけでなく、公共工事の入札や元請との契約でも不利になります。
近年の建設業法の改正内容を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

加入が必要な保険の種類
建設業許可で求められる社会保険は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の3種類です。健康保険と厚生年金保険は、病気やケガの際の医療費負担や将来の年金給付を支える制度です。雇用保険は、失業時や育児休業時などに給付を受けられる制度で、労働者を1人でも雇用していれば加入義務が生じます。
法人・個人での違い
社会保険の加入義務は、法人か個人事業主かによって判定基準が異なります。法人の場合は、代表者1人だけの会社であっても健康保険・厚生年金保険への加入が義務付けられます。
個人事業主の場合は、同居の親族を除く常時使用する従業員が5人以上であれば、健康保険・厚生年金保険の加入義務が生じます。従業員が5人未満の場合は社保適用が任意のため、国民健康保険・国民年金を従業員自身で納めてもらう方法も可能です。雇用保険は、従業員を1人でも雇用していれば加入が必須です。
建設業許可の取得条件⑤欠格要件に該当しないこと
建設業許可では、社会的に不適格とされる人物や法人を排除するための欠格要件が定められています。
欠格要件とは?
欠格要件とは、法律違反や社会秩序を乱す行為をした者を排除し、建設業の健全性を守るための基準です。公共性の高い建設業において不適切な事業者を排し、発注者や下請業者の信頼を守る役割を果たしています。申請者本人だけでなく、法人の役員や使用人にも適用されます。
主な欠格要件一覧
- 破産手続が始まったばかりで、まだ復権(権利の回復)を得ていない人
- 過去5年以内に「許可取り消し処分」を受けた人
- 建設業法などの違反によって、国や都道府県から営業禁止を命じられ、禁止期間がまだ終わっていない人
- 建設業許可を取り消されそうだからと先回りで自主廃業や会社の合併消滅をした人(5年間は再申請不可)
- 禁錮・懲役刑(または執行猶予)を終えて5年が経っていない人
- 建設業法などの特定の法律違反や暴力行為で罰金刑を受けた人
- 現役の暴力団員、または暴力団を辞めてから5年が経っていない人
- 会社の裏に暴力団員がいて、実質的にビジネスをコントロールしている場合
- 精神上の障害などにより、建設業を適切に経営する能力がないと判断された人
まだ社会的な判断が難しい未成年者の場合、親権者などの法定代理人が上記の欠格要件に1つでも引っかかっていれば許可は下りません。法人の場合は役員や支店長(政令で定める使用人)、個人の場合は支配人や支店長の中に、欠格要件に該当する人が1人でもいると、許可を取得できません。
過去に該当していた場合どうすればいい?
過去に欠格要件に該当していても、一定の期間が経過すれば再び許可申請が可能になることがあります。たとえば、禁錮以上の刑を受けた場合は刑の執行終了から5年、破産した場合は復権を得れば申請の道が開かれます。建設業許可を取り消された場合も、取消日から5年を経過すれば再申請が可能です。
ただし、過去の処分歴を隠すことは避けましょう。虚偽報告をすれば再び欠格要件に該当し、将来の申請も制限されてしまいます。
建設業許可の取得条件を証明するために必要な書類
これまで紹介した条件は、実際に証明できなければ許可は認められません。各条件に応じた書類の準備が必要です。具体的な必要書類は許可申請先の行政庁(国や都道府県)によって細部が異なることがあるため、申請先の手引きもあわせて確認しましょう。
常勤役員等(経管)を証明する書類
経管を証明するには、過去に経営に携わっていたことを裏付ける書類が必要です。法人の場合は商業登記簿謄本で役員歴を確認し、決算書や工事契約書・請負契約台帳などを併せて提出します。個人事業主の場合は確定申告書や事業税の納税証明書などが有効です。
営業所技術者(専技)を証明する書類
営業所技術者は、資格証明書の写し、または実務経験証明書とともに工事契約書や注文書などを添えて証明します。さらに、常勤性を確認するために雇用契約書や給与台帳、社会保険加入記録などを提出し、営業所に常勤していることを示す必要があります。
財産的基盤(財産要件)を証明する書類
財産的基盤の証明には、自己資本や資産状況を示す書類が必要です。法人は直近の決算書や貸借対照表・損益計算書を、個人事業主は確定申告書を用います。新設法人や資金調達能力を示す場合は、預金残高証明書も有効です。
誠実性を証明する書類
誠実性は直接証明する書類が存在しないため、不正行為がない旨を記載した申立書が用いられます。加えて、行政庁側が過去の行政処分歴や違反歴を独自に照会し、虚偽申請や契約違反などがないかを確認します。
社会保険加入を証明する書類
社会保険加入の証明には、健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書などが用いられます。雇用保険については、労働保険番号が確認できる書類(雇用保険適用事業所設置届の控えなど)の提出が必要です。
欠格要件に該当しないことを証明する書類
欠格要件の確認には、本籍地の市区町村が発行する身分証明書や、法務局発行の「登記されていないことの証明書」などが必要です。加えて、役員全員分の住民票や、国税・地方税に未納がないことを示す納税証明書も求められます。法人の場合は役員全員分をそろえる必要があり、一人でも該当すれば許可は下りません。
営業所の存在を証明する書類
営業所の存在を証明するには、賃貸借契約書や建物登記簿による所在地と使用権限の証明が必要です。加えて、営業所内部を撮影した写真や電話・インターネットの契約書、社員の勤務表などを用いて、日常的に契約や施工管理をおこなえる体制があることを示します。
必要書類をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご確認ください。

建設業許可の取得条件が整わなかったときの対策
要件を満たせていないとわかると、気持ちが沈んでしまうかもしれません。しかし、すぐに諦める必要はなく、状況に応じた対策をとることで将来的に許可取得が可能になるケースは多くあります。
常勤役員等(経管)がいない場合の対策
許可を取得するには経営経験をもつ人材の確保が必要です。新たに役員を迎え入れる、あるいは経験豊富な親族を経営に参画させるといった方法があります。実際に、役員経験のある親族を新たに役員登記し、要件をクリアした例もあります。支店長や工事部長として経営業務を補佐した経験があれば要件を満たせる場合もあるため、行政書士に確認するのがおすすめです。
営業所技術者(専技)が確保できない場合の対策
社内の従業員に施工管理技士などの国家資格取得を支援する方法と、資格保有者を中途採用する方法があります。早急に体制を整えたい場合は中途採用、長期的にコストを抑えたい場合は資格取得支援が向いており、自社の状況に応じて優先順位を判断するとよいでしょう。
財産的基礎が不足している場合の対策
資本増強や財務改善に取り組みましょう。法人の場合は増資によって自己資本を増やす方法があり、個人事業主の場合は残高証明書や定期預金の提示で資金力を示すことも可能です。実際に、増資や残高証明の活用によって財産的要件をクリアした例も多くあります。
誠実性・欠格要件に該当してしまった場合の対策
誠実性を欠く行為や欠格要件に該当した場合、今すぐ建設業許可は取得できません。ただし、一定期間が経過すれば再申請が可能となる場合があります。重要なのは、再発防止策を講じて誠実な体制を整えることです。
専門家に早期相談するのが効果的
要件を満たせない場合、自社だけで解決しようとすると時間とコストがかかりがちです。行政書士などの専門家に早期相談すれば、どの要件をどのように補うか、許可取得までの具体的なロードマップを提示してもらえます。
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建設業許可の取得条件を満たしていても許可されないケースは?
一見条件を満たしていても、申請手続きや実態に問題があれば許可は下りません。どのようなケースが想定されるのか確認しましょう。
書類に虚偽記載・不備・不整合がある
申請書類に虚偽の記載や添付資料の不足、数値・日付の不整合があると、書類の内容が実質的に要件を満たしていても許可は下りません。行政は誠実性を重視しているため、虚偽申請は重大な不正行為とみなされ、再申請にも大きな支障が出ます。
「名義貸し」など建設業法違反の疑いがある
実際には工事をおこなわない業者が許可だけを他者に貸し出す「名義貸し」は、建設業法で固く禁止されています。
申請段階で実態とかけ離れた契約書や登記情報が見つかった場合、役所から実態を証明する追加書類を厳しく求められ、証明できずに申請を諦めざるを得なくなるでしょう。経営業務の管理責任者(経管)や専任技術者の名前だけを借りる(常勤実態のない名義借り)行為も、同様に厳しい目でチェックされます。
営業所の実態がない
形式的に登記している本店所在地を申請書に記載しても、営業所とは認められません。
行政は写真の提出や立入調査を通じて、建設業の営業実態を厳しく確認します。単にスペースがあるだけでなく、会社の看板や標識、固定電話、机、PCなどが揃い、実際にそこで見積もりや契約業務ができる状態にあることが重要です。形だけの「ペーパーカンパニー」では申請はとおりません。
反社会的勢力との関与が疑われる場合
経営者や役員、主要な従業員が暴力団関係者である場合は欠格要件に該当し不許可となります。同様に、欠格要件に直接該当しなくても、取引関係や資金の流れから関与が疑われる場合は不許可のリスクがあります。許可行政庁は警察や関係機関と連携して調査をおこなっています。
納税義務を履行していない
法人税や消費税、社会保険料の納付を怠っていると、不許可となる可能性があります。申請時には納税証明書の提出が求められ、滞納の有無が確認されるため、必ず整理してから申請に臨みましょう。
審査中の応対・説明に不備や矛盾がある
面談や補正指示への説明が曖昧だったり、過去の申請内容と食い違う発言をしたりした場合、不許可につながることがあります。正確で一貫した説明をおこない、疑問点には資料をもって回答できる体制を整えておくことが重要です。
許可取得はゴールではない|経審・入札参加を見据えて
建設業許可を取得した後、公共工事の入札に参加したい場合は、経営事項審査(経審)を受ける必要があります。経審は、建設業者の経営状況や技術力を客観的に評価する制度で、結果次第で入札時の格付けが変わります。許可取得後も、決算変更届や経審の受審、競争入札参加資格審査申請など、継続的な手続きが必要になる点を覚えておきましょう。
ai行政書士法人では、経営事項審査や競争入札参加資格申請のサポートのほか、評点アップ・格付けアップに関するご相談にも対応しています。許可取得後の展望まで含めて検討したい方は、初回無料相談をご活用ください。
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まとめ
建設業許可の取得には、経管や営業所技術者の配置、財産的基盤の確保、誠実性の保持、社会保険への加入、欠格要件に該当しないことなど、複数の条件を満たす必要があります。ひとつでも欠ければ許可は下りません。
条件を満たせない場合でも、増資や資格取得、人材確保などの対策を講じることで、将来的に許可取得の可能性は広がります。専門家に早期相談すれば、効率的かつ確実に要件を満たせるでしょう。条件が複雑に見えても、順番に整理していけば、自社が今どこまで進んでいるかが見えてきます。不安な点があれば、抱え込まずに行政書士に相談してみましょう。
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