定住者と永住者の違いとは?比較表でわかる在留期間・就労・申請条件

定住者として日本で暮らしていて、永住者とは何が違うのか、永住者に切り替えたほうがよいのか迷っていませんか。どちらも長く日本で暮らせる在留資格なので、違いがわかりにくいと感じる方もいるでしょう。
定住者は職種を問わず働けますが、在留期間には上限があり、期限ごとに更新の手続きが必要です。一方で永住者は、在留期間にも活動内容にも制限がなく、更新の審査を受けずに日本で暮らし続けられます。
ただし、永住許可は通常の在留資格の変更よりも慎重に審査されるため、条件を事前に把握しておくことが欠かせません。また、2026年10月1日以降の申請から手数料が200,000円に改定されるなど、永住許可をめぐる制度は見直しが続いています。
この記事では、以下の内容を解説します。
- 定住者と永住者の違い
- 自分の在留資格の見分け方
- 永住者に切り替えるメリットと条件
- 永住許可申請の流れと必要書類
- 不許可になりやすいケース
定住者から永住者への切り替えを検討している方や、自分の在留資格について理解を深めたい方に、申請の前に知っておきたい情報をお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。
【比較表】定住者と永住者の違い一覧
定住者と永住者は、どちらも職種を問わず働けて、日本で長く暮らせる在留資格です。しかし、在留期間の長さや更新の有無、許可を受けるための条件には大きな違いがあります。まずは主な違いを表で確認しましょう。
| 比較項目 | 定住者 | 永住者 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 5年、3年、1年、6ヶ月、または個別に指定された期間 | 無期限 |
| 在留期間の更新 | 期限ごとに必要 | 不要 |
| 就労の範囲 | 職種を問わず働ける | 職種を問わず働ける |
| 事情が変わったときの影響 | 更新の審査で不利に働く場合がある | 在留資格は左右されにくい |
| 認められる人 | 日系人や、日本人と離婚・死別した人など特別な事情がある人 | 一定期間日本に住み、素行・生計・国益の要件を満たした人 |
| 在留カードの有効期間 | 在留期間の満了日まで | 交付日後の10回目の誕生日まで |
(※永住者の在留カードの有効期間は、2026年6月14日以降に交付されたものが対象です。18歳未満の方は交付日後5回目の誕生日まで、2026年6月13日以前に交付されたカードは交付日から7年です。)
表のとおり、2つの在留資格の最も大きな違いは、在留期間の更新が必要かどうかです。定住者は在留期間が最長5年で、期限が来るたびに更新の審査を受けます。そのため、離婚や死別、収入の減少などで在留を認められた事情が変わると、次の更新で許可されない可能性があります。
一方で、永住者は在留期間に制限がなく、更新の審査もありません。ただし、永住許可は通常の在留資格の変更より慎重に審査されるため、定住者から切り替えるには一定の条件を満たすことが求められます。なお、永住者であっても在留カード自体には有効期間があるので、期限までに更新の手続きをしなければなりません。
ここからは、定住者と永住者それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
参考:出入国在留管理庁「永住許可(入管法第22条)」
参考:出入国在留管理庁「在留資格『定住者』」
参考:出入国在留管理庁「特定在留カード交付申請について」
在留資格「定住者」とは
定住者は、日本とのつながりや個別の事情をもとに認められる在留資格です。定住者について押さえておきたいポイントは、次の5つです。
- 法務大臣が特別な理由を考慮して認める資格
- 日系人や離婚・死別した人などが対象になる
- 告示定住と告示外定住の2種類がある
- 在留期間は最長5年で、更新が欠かせない
- 職種を問わず働けるが、事情の変化が更新に影響する
それでは、順に見ていきましょう。
法務大臣が特別な理由を考慮して在留を認める資格を指す
定住者は、出入国管理及び難民認定法で「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」と定められている在留資格です。つまり、あらかじめ決められた基準だけで一律に判断するのではなく、申請する人の家族関係や生活の状況、人道上の事情などを個別に考慮して許可される点に特徴があります。
また、在留資格には、仕事の内容に応じて認められるものと、日本人との身分関係や本人の地位に応じて認められるものがあります。定住者は後者にあたり、「日本人の配偶者等」や「永住者」と同じく、身分や地位にもとづく在留資格のひとつです。そのため、「技術・人文知識・国際業務」のような就労のための在留資格と違い、日本でおこなえる活動の内容に制限がありません。
ただし、定住者はあくまで法務大臣が個別の事情を考慮して認めるものなので、在留を認められた理由となる事情が続いているかどうかが、更新のたびに確認されます。たとえば、日本人と離婚したあと、日本人の子どもを育てていることを理由に定住者となった人が、子どもの養育をやめた場合は、次の更新に影響する可能性があります。定住者として日本で暮らし続けるために、在留を認められた事情と今の生活が合っているかを定期的に確認しておきましょう。
日系人や日本人配偶者と離婚・死別した人などが対象になる
定住者が認められるのは、日本とのつながりが深く、日本での生活を続けることに特別な配慮が求められる人です。代表的な例としては、次のような方が挙げられます。
- 日系2世や日系3世として来日した人
- 日本人や永住者と離婚・死別した人
- 日本人の実子を育てている人
- 日本人や永住者の連れ子として来日した人
- 中国残留邦人やその家族
なかでも人数が多いのは、日系人とその家族です。1990年の入管法改正以降、ブラジルやペルーなどから多くの日系人が定住者として来日し、日本で暮らしてきました。
もうひとつ多いのが、日本人や永住者と離婚・死別したあとも日本での生活を続ける人です。結婚しているあいだは「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」の在留資格で暮らしていた方が、婚姻関係がなくなるとその在留資格の条件に当てはまらなくなります。しかし、日本での生活が長い場合や、日本人との間に生まれた子どもを育てている場合は、日本での生活を守るために定住者への在留資格の変更が認められることがあります。
このように定住者の対象は幅広く、同じ定住者でも認められた理由は人によって異なります。そして、その理由の違いは、次に説明する2つの種類の分かれ目にもなります。

「告示定住」と「告示外定住」の2種類に分かれる
定住者は、法務省の告示にあらかじめ定められた類型に当てはまるかどうかで、2つに分かれます。この告示は、正式には「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件」といい、平成2年法務省告示第132号として定められているものです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 告示定住 | 告示で定められた類型に当てはまり、海外から新たに来日できる |
| 告示外定住 | 告示にはないが、個別の事情を考慮して在留が認められる |
告示定住にあたるのは、日系2世や日系3世、定住者の配偶者、日本人や永住者の配偶者の連れ子、日本人や永住者などの6歳未満の養子、中国残留邦人とその親族といった方です。これらに当てはまる場合は、海外にいる段階で在留資格認定証明書の交付を申請し、定住者として新しく日本に入国できます。
一方で、告示外定住は、日本人や永住者と離婚・死別したあと引き続き日本での在留を希望する方や、日本人との間の実子を育てている方などが当てはまります。こちらは告示に定めがないため、すでに日本に住んでいる方が現在の在留資格から定住者への変更を申請する形になります。告示外定住は基準が明文化されていないので、日本での生活状況や家族との関係を、資料で具体的に説明することが大切です。
なお、どちらの定住者であっても、在留資格としての扱いに差はありません。働ける範囲も同じで、永住許可を申請するときの5年以上の在留という特例も、同じように適用されます。
参考:出入国在留管理庁「在留資格『定住者』」
参考:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
在留期間は最長5年で、期限ごとに更新手続きが必要になる
定住者に与えられる在留期間は、次のいずれかです。
- 5年
- 3年
- 1年
- 6ヶ月
- 5年を超えない範囲で個別に指定された期間
最初から5年が認められるとは限らず、1年や3年から始まるケースが多くみられます。そして、在留期間が終わる前に更新の手続きをしなければ、日本に住み続けられません。
更新の申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署でおこないます。在留期間が6ヶ月以上ある方は、満了日の3ヶ月前から申請を受け付けてもらえます。標準処理期間は2週間から1ヶ月とされていますが、混み具合によって前後するため、期限ぎりぎりではなく早めに動きましょう。
なお、更新のたびに手数料もかかります。2026年10月1日以降に受け付けられる申請からは、これまでの一律6,000円から、許可される在留期間に応じた段階制に変わりました。
| 許可される在留期間 | 窓口申請の手数料 |
|---|---|
| 1年 | 33,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 |
在留期間が1年の方であれば、毎年33,000円を払い続けることになります。家族で日本に住んでいる場合は、その人数分の負担が生じます。手間だけでなく費用の面でも、更新が続くことの影響は小さくありません。
参考:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」
参考:出入国在留管理庁「2026年10月1日から外国人の在留手続に関する手数料が改定されます」
職種を問わず働けるが、身分や事情が変わると更新に影響する
定住者は身分や地位にもとづく在留資格なので、日本でおこなえる活動に制限がありません。そのため、就労のための在留資格では認められにくい仕事にも就けます。
| 働き方 | 定住者の場合 |
|---|---|
| 職種の制限 | なし。飲食店や工場、建設現場などでも働ける |
| 雇用形態 | 正社員のほか、アルバイトや派遣でも働ける |
| 転職 | 自由におこなえる |
| 起業や独立 | 認められる |
たとえば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、専門的な知識を活かした仕事に限られ、単純作業とされる業務には原則として就けません。一方で定住者にはこうした制限がないため、仕事の選択肢が広いのが特徴です。
ただし、働き方が自由である一方、在留を認められた事情が変わると、次の更新で影響が出る可能性があります。たとえば、日本人の子どもを育てていることを理由に定住者となった方が、その子どもの養育に関わらなくなった場合や、収入が不安定で生活の維持が難しくなった場合には、更新の審査で慎重に判断されることがあります。
更新の審査では、在留資格に応じた活動を続けているかに加え、在留期間の更新を認めるにふさわしい相当の理由があるかが見られます。したがって、更新のたびに、日本での生活の状況を書類で示すことが求められます。仕事は自由に選べても、在留の安定という面では、更新のたびに審査を受ける立場に変わりはありません。
参考:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」
参考:出入国在留管理庁「在留資格『定住者』」
在留資格「永住者」とは
永住者は、日本で暮らす外国人のなかで最も安定した在留資格です。永住者について押さえておきたいポイントは、次の4つです。
- 在留期間の制限なく住み続けられる
- 活動内容に制限がなく、転職や独立も自由にできる
- 在留期間の更新は不要だが、在留カードは更新する
- 日本国籍を取得する帰化とは別の制度である
それでは、順に見ていきましょう。
在留期間の制限なく日本に住み続けられる資格を指す
永住者は、法務大臣の永住許可を受けた外国人に与えられる在留資格です。出入国在留管理庁は、永住者について、在留活動と在留期間のいずれも制限されない点で、ほかの在留資格と比べて在留管理が大幅に緩和されると説明しています。
在留期間に定めがないので、定住者のように期限ごとの更新手続きは要りません。つまり、日本での生活が続くかぎり、在留期間を気にせず暮らせます。在留期限に追われることなく、長期的な生活設計を立てられる点が、永住者の最も大きな特徴です。
ただし、在留管理の対象から外れるわけではありません。入管庁も、永住者は在留期間の更新といった審査を受けなくなるものの、在留資格の取消制度や退去強制の制度といった在留管理の対象であると示しています。住所が変わったときの届出や在留カードの携帯といった義務も、これまでどおり守る立場に変わりはないのです。
なお、2027年4月1日からは、永住許可制度の見直しに関する改正入管法が施行される予定です。施行後は、故意に税金や社会保険料を支払わない場合などが、永住者の在留資格を取り消す理由に加わります。入管庁は、対象となるのは在留の状況が良好と評価できない一部のケースであると説明していますが、許可を受けたあとも公的な義務を果たしていく姿勢が求められます。
参考:出入国在留管理庁「永住許可(入管法第22条)」
参考:出入国在留管理庁「永住許可制度の適正化Q&A」
参考:出入国在留管理庁「令和6年入管法等改正について」
活動内容の制限がなく、転職や独立も自由に行える
永住者には活動の内容に制限がないため、日本人と同じように仕事を選べます。具体的には、次のような働き方ができます。
- 職種や業種を問わずに働ける
- 会社を辞めて転職しても入管への許可は要らない
- 独立して起業や自営業を始められる
- アルバイトや副業も自由に選べる
就労のための在留資格では、仕事の内容が在留資格と結びついています。そのため、転職して仕事の内容が変わると、在留資格の変更や就労資格証明書の取得を検討する場面が出てきます。しかし、永住者にはそうした制限がありません。
定住者も職種を問わず働ける点は同じですが、決定的に違うのは転職や収入の変化が在留資格に影響しない点です。定住者は、転職によって収入が下がったり、無職の期間が続いたりすると、更新の審査で不利に働く場合があります。一方で永住者は、更新の審査そのものがないため、仕事の状況で在留が揺らぐ心配はありません。
とはいえ、転職しても届出が不要になるわけではない点に気をつけましょう。勤務先や住所が変わったときは、入管法で定められた届出の義務を守ることが求められます。
参考:出入国在留管理庁「永住許可(入管法第22条)」
参考:出入国在留管理庁「永住許可制度の適正化Q&A」
在留期間の更新は不要だが、在留カードは7年ごとに更新する
永住者になっても、在留カード自体の更新はなくなりません。在留期間に定めがない代わりに、カードには有効期間が設けられており、期限が来たら更新の申請をします。
カードの有効期間は、交付された時期によって次のように分かれます。
| 在留カードの交付時期 | 有効期間 |
|---|---|
| 2026年6月13日まで | 交付の日後7年(16歳未満は16歳の誕生日の前日まで) |
| 2026年6月14日以降 | 交付の日後の10回目の誕生日まで(18歳未満は5回目の誕生日まで) |
2026年6月14日から在留カードの様式が変わり、有効期間の考え方も見直されました。以前の様式のカードも引き続き有効なので、いま手元にあるカードの有効期間を確認しておきましょう。
更新の申請は、有効期間の満了日の3ヶ月前から満了日までの間におこないます。申請先は住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で、手数料はかかりません。期限を過ぎたまま放置すると、届出の義務を果たしていないと判断される可能性があるため、忘れずに手続きしましょう。
なお、永住者は更新の間隔が長いぶん、期限を忘れやすいという面があります。カードを受け取ったときに、有効期間の満了日をカレンダーやスマートフォンに記録しておくと確実です。
参考:出入国在留管理庁「特定在留カード交付申請について」
参考:出入国在留管理庁「在留カードの有効期間の更新申請」
日本国籍を取得する「帰化」とは別の制度にあたる
永住と帰化は混同されやすいものの、まったく別の制度です。永住は日本に住み続けるための在留資格であるのに対し、帰化は日本国籍そのものを取得する手続きにあたります。
| 比較項目 | 永住 | 帰化 |
|---|---|---|
| 国籍 | 母国の国籍のまま | 日本国籍を取得する |
| 手続きの窓口 | 出入国在留管理官署 | 法務局 |
| 許可する人 | 法務大臣(入管法にもとづく) | 法務大臣(国籍法にもとづく) |
| 在留カード | 必要 | 不要になる |
| 選挙権 | ない | ある |
入管庁は、帰化について、外国人が法務大臣の許可を得て日本国籍を取得することであり、帰化した場合は入管法にもとづく在留管理の対象ではなくなると説明しています。つまり、帰化すると在留カードの携帯や各種の届出も不要になります。
どちらを選ぶかは、母国の国籍を維持したいかどうかが大きな判断材料です。母国の国籍を残したまま日本で安定して暮らしたい方には永住が向いており、日本国籍を取得して日本人として生活したい方には帰化が向いています。
なお、帰化の要件には、日本に住んでいる期間や生計の状況に加えて、日本語の読み書きの能力も含まれます。永住と帰化では求められる要件が異なるので、どちらを目指すかによって準備の進め方も変わってくるでしょう。
参考:出入国在留管理庁「永住許可制度の適正化Q&A」
参考:法務省「帰化許可申請」
自分がどちらの在留資格かは在留カードで確認できる
自分の在留資格がどれなのかは、手元の在留カードで確かめられます。確認するポイントは、次の2つです。
- 在留資格の欄に何と書かれているか
- 在留期間の満了日が記載されているか
それでは、順に見ていきましょう。
永住者は「在留期間(満了日)」欄が無期限と表示される
在留カードの表面には在留資格の欄があり、永住者であれば「永住者」と記載されています。在留資格の名称はカードにそのまま印字されるので、まずはこの欄を見るのが確実です。
あわせて確認したいのが、同じく表面にある就労制限の有無の欄です。入管庁は、外国人を雇用する際の確認ポイントとして、この欄に「就労制限なし」と書かれている場合は就労の内容に制限がないと案内しています。永住者はこの記載にあたるため、在留資格の欄と就労制限の欄をあわせて見れば、自分の立場をより正確に把握できます。
なお、2026年6月14日から在留カードの様式が変わりました。新しい様式では、これまで券面に記載されていた在留期間や許可の種類、許可年月日、交付年月日が印字されなくなり、ICチップにのみ記録されます。ただし、在留資格と在留期間の満了の日は引き続き券面に記載されるため、確認の方法が大きく変わるわけではありません。
以前の様式のカードも引き続き有効なので、手元のカードが新旧どちらであっても、そのまま使い続けられます。券面に記載されていない項目を確認したい場合は、入管庁が提供する在留カード等読取アプリケーションでICチップの内容を読み取れます。
参考:出入国在留管理庁「『在留カード』はどういうカード?」
参考:出入国在留管理庁「特定在留カード交付申請について」
定住者は在留期間と満了日が記載され、更新期限の目安になる
定住者の場合も、在留資格の欄には「定住者」と記載されています。そして永住者と大きく違うのが、在留期間の満了の日が記載されている点です。
| 確認する欄 | 定住者 | 永住者 |
|---|---|---|
| 在留資格 | 定住者 | 永住者 |
| 在留期間の満了の日 | 具体的な日付が入る | 日付による期限がない |
| 就労制限の有無 | 就労制限なし | 就労制限なし |
在留期間の満了の日は、更新手続きの期限を知るための大切な情報です。在留期間が6ヶ月以上ある方は、満了日の3ヶ月前から更新の申請を受け付けてもらえるので、この日付から逆算して準備を始めましょう。
また、在留カードの有効期間についても違いがあります。永住者以外の方に交付される在留カードの有効期間は、在留期間の満了日までです。つまり、定住者は在留期間の更新と在留カードの更新が同時に進むため、更新の手続きさえ忘れなければ、カードの期限を別途気にする必要はありません。
なお、自分の在留カードが有効かどうかは、入管庁のウェブサイトにある失効情報照会のページでも確認できます。カードの番号と有効期間の満了日を入力すれば、そのカードが失効していないかを調べられるので、必要に応じて活用しましょう。
参考:出入国在留管理庁「『在留カード』はどういうカード?」
参考:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」
定住者から永住者に切り替える4つのメリット
定住者から永住者になると、日本での生活がより安定します。主なメリットは、次の4つです。
- 更新手続きの手間と不許可のリスクがなくなる
- 生活の変化で在留資格が揺らがなくなる
- 住宅ローンやクレジットの審査で評価されやすくなる
- 家族の在留資格の選択肢が広がる
それでは、順に見ていきましょう。
更新手続きの手間と不許可のリスクから解放される
永住者になると、在留期間の更新手続きが不要になります。定住者のあいだは、在留期間が終わるたびに書類をそろえ、地方出入国在留管理官署へ申請する作業を繰り返してきたはずです。この負担がなくなる点は、永住許可を受ける大きなメリットといえます。
永住許可を受けると、次の負担がなくなります。
- 課税証明書や納税証明書をそろえる手間がかからなくなる
- 平日に入管の窓口へ出向かずに済む
- 審査の結果を待つ期間がなくなる
- 更新のたびの手数料を支払わずに済む
とくに費用の面では、違いがはっきりしています。2026年10月1日以降に受け付けられる在留期間更新許可申請の手数料は、許可される在留期間に応じて33,000円から75,000円です。在留期間が1年の方であれば、毎年33,000円を払い続けることになります。
さらに見逃せないのが、不許可になるリスクから解放される点です。更新の審査では、在留期間の更新を認めるにふさわしい相当の理由があるかどうかが判断されます。つまり、更新は自動的に認められるものではなく、そのたびに審査を受ける立場に置かれているわけです。永住許可を受ければ、この不安定さから離れられます。
離婚や転職など生活の変化に在留資格が左右されにくくなる
定住者は、在留を認められた事情が続いているかどうかが更新のたびに確認されます。そのため、生活の変化が在留資格に直結しやすいのが実情です。
| 生活の変化 | 定住者への影響 | 永住者への影響 |
|---|---|---|
| 離婚や再婚 | 在留を認められた事情が変わる可能性がある | 在留資格は変わらない |
| 転職や退職 | 収入の状況が更新の審査で見られる | 届出は必要だが在留資格は変わらない |
| 収入の減少 | 生活の安定性を問われる場合がある | 在留資格は変わらない |
たとえば、日本人と離婚したあと定住者として暮らしている方が、日本人の子どもの養育を続けられなくなった場合、次の更新で判断が分かれる可能性があります。また、勤務先の倒産や病気で収入が途絶えた時期があると、生活の安定性について説明を求められることもあるでしょう。
一方で永住者は、活動の内容にも在留期間にも制限がありません。離婚しても転職しても、そのことが理由で在留資格を失う心配がなくなります。人生の節目で、在留資格への影響を気にせず判断できるのは大きな違いです。
ただし、永住者になっても届出の義務は残ります。住所や勤務先が変わったときの届出を怠ると、2027年4月1日から始まる取消制度のもとで不利に働く可能性があるため、手続きは確実におこないましょう。
住宅ローンやクレジットの審査で評価されやすくなる
永住者になると、住宅ローンを借りられる金融機関の幅が広がります。多くの住宅ローンは長期にわたる返済を前提としているため、日本に住み続けられる立場かどうかが重視されるからです。
わかりやすいのが、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供するフラット35です。申込要件として、日本国籍の方、永住許可を受けている方、または特別永住者の方と定められています。外国籍の方が申し込む場合は、通常の申込要件に加えて永住者または特別永住者の資格が必要とされ、資格がなかったと判明した場合は借入金の一括返済を求められます。
つまり、定住者のままではフラット35を利用できず、永住許可を受けてはじめて申し込めるようになります。民間の金融機関でも永住者を条件としている商品は多く、永住許可は住宅の購入を考えるうえで大きな意味を持つでしょう。
なお、永住許可があれば必ず審査に通るわけではありません。フラット35でも、年収に占める年間の返済額の割合が基準を満たすことが求められ、取扱金融機関や機構の審査の結果によっては希望にそえない場合があるとされています。永住許可は申し込みの入口に立つための条件であって、収入や返済の計画は別に整えていきましょう。
配偶者や子どもの在留資格の選択肢が広がる
永住者になると、家族の在留資格にも選択肢が生まれます。永住者の配偶者や子どもは、「永住者の配偶者等」という在留資格の対象になるからです。
また、永住許可の要件にも家族に関する扱いがあります。永住許可のガイドラインでは、日本人、永住者または特別永住者の配偶者または子である場合、素行が善良であることと独立の生計を営むに足りる資産または技能を有することの2つの要件を満たすことを求めないとされています。つまり、自分が永住者になれば、配偶者や子どもが将来永住許可を申請するときの要件が軽くなるわけです。
さらに、原則10年以上の在留という要件にも特例があります。日本人、永住者および特別永住者の配偶者の場合は、実体を伴った婚姻生活が3年以上続き、引き続き1年以上日本に在留していることが条件です。その実子などの場合は、1年以上日本に継続して在留していることが求められます。
ただし、この特例については見直しの動きがある点に留意が必要です。2026年8月に公表されたガイドラインの改定案では、配偶者の場合は婚姻生活5年以上かつ在留3年以上、実子などは3年以上へと期間を延ばすことが示されています。この改定は2027年4月1日以降の申請から適用される予定なので、家族での申請を考えている方は時期も含めて検討しましょう。
定住者から永住者になるための条件
永住許可を受けるには、入管法で定められた要件を満たさなければなりません。定住者の方が確認しておきたい条件は、次の5つです。
- 定住者として5年以上日本に在留している
- 素行が善良であると認められる
- 独立して生計を営める資産または技能がある
- 永住が日本の国益に合うと判断される
- 現在の在留期間が原則として最長のものである
それでは、順に見ていきましょう。
定住者として引き続き5年以上日本に在留している
永住許可の要件では、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが求められます。ただし、この原則には特例があり、定住者の在留資格で5年以上継続して日本に在留している場合は、10年を待たずに申請できます。
10年の原則には、そのうち就労のための在留資格または居住のための在留資格で引き続き5年以上在留していることという条件も付きます。しかし定住者の特例では、定住者として5年以上という年数が要件になるので、判断はシンプルです。
注意したいのが、この5年は定住者になってからの期間である点です。以前に「日本人の配偶者等」などの在留資格で暮らしていた期間は、この特例の5年には含まれません。ただし、日本での在留が途切れず続いていれば、原則の10年を満たす道もあります。自分がどちらの計算で申請できるのかは、これまでの在留の履歴をたどって確かめましょう。
なお、継続して在留していることが条件なので、長期間日本を離れていた時期があると評価が変わる場合があります。仕事や留学で長く海外に滞在していた方は、その期間と理由を整理しておくと安心して準備を進められます。
参考:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
素行が善良であると認められる
素行が善良であることは、入管法が定める永住許可の要件のひとつです。ガイドラインでは、法律を守り、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることと説明されています。
ここで気をつけたいのが、定住者はこの要件を免除されない点です。ガイドラインでは、日本人、永住者または特別永住者の配偶者または子である場合には、素行善良の要件と独立生計の要件に適合することを求めないとされています。定住者はこの免除の対象に含まれないため、2つの要件をきちんと満たすことが求められます。
素行については、罰金刑や拘禁刑を受けていないことも判断の材料になります。また、2026年8月に公表されたガイドラインの改定案では、刑罰法令に違反した場合の扱いとして、少年法による保護処分を受けている方も原則として消極的に評価する方針が示されました。
日常生活の面では、交通違反の繰り返しも見られる項目です。1回の軽微な違反ですぐに不許可となるわけではありませんが、違反が重なっていると審査で不利に働く可能性があります。過去の違反歴が気になる場合は、申請の前に状況を整理しておきましょう。
参考:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
独立して生計を営むに足りる資産または技能がある
独立生計の要件は、日常生活において公共の負担にならず、その有する資産または技能などから見て、将来において安定した生活が見込まれることを指します。生活保護に頼らず、自分の力で暮らしていける状態かどうかが見られるということです。
現行のガイドラインでは、具体的な年収の金額は示されていません。しかし実務では、世帯の収入と扶養している人数のバランスが判断の材料になります。収入が一定水準あっても、扶養する家族が多ければ慎重に判断される場合があるのです。
そして、この要件は今後の見直しが予定されています。出入国在留管理庁は2026年8月4日にガイドラインの改定案を公表し、独立生計の要件について、原則として申請者の世帯年収の額が世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかを考慮する方針を示しました。さらに、将来受給できる年金の見込額を新たな考慮要素とすることも盛り込まれています。
法務大臣も記者会見で、永住者が最も安定した在留資格であることを考慮し、公共の負担とならないことをより確実に担保する観点から見直しをおこなったと説明しています。収入に関する基準は、原則の適用時期より早く運用される見通しが示されているため、申請を考えている方は最新の情報を確認しましょう。
参考:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
参考:法務省「法務大臣閣議後記者会見の概要(令和8年8月4日)」
永住が日本の国益に合うと判断される
国益の要件は、永住許可の審査で最も幅広く見られる部分です。ガイドラインでは、在留年数のほかに次の点が挙げられています。
| 確認される項目 | 内容 |
|---|---|
| 刑罰 | 罰金刑や拘禁刑などを受けていない |
| 公的義務 | 納税、公的年金と公的医療保険の保険料の納付、入管法上の届出などを適正に履行している |
| 在留期間 | 現在の在留資格で最長の在留期間を持っている |
| 上陸許可基準 | 現在の在留資格が法務省令で定める基準などに適合している |
| 公衆衛生 | 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがない |
とくに見落としやすいのが、納付の時期です。ガイドラインには、申請の時点で納税や納付が済んでいても、当初の期限内に履行されていない場合は原則として消極的に評価されるという注記があります。つまり、あとからまとめて納めた記録が残っていると、審査で不利に働く可能性があるのです。
また、定住者の方に関わる点として、上陸許可基準の項目があります。ガイドラインの注記では、この基準に定住者告示に該当するとして在留を許可されている場合の要件も含まれると説明されています。告示定住として日本に来た方は、その告示の要件を満たした状態が続いているかも確認されるということです。
なお、改定案では国益の要件がさらに具体化されます。日本語能力や制度への理解、学齢期の子どもの就学といった項目が新たに加わる方針が示されているので、動向を見ておきましょう。
現在の在留期間が原則として最長のものである
永住許可の要件には、現在の在留資格について、入管法施行規則で定められた最長の在留期間で在留していることが含まれます。定住者の最長の在留期間は5年なので、原則として在留期間が5年の状態で申請することになります。
ただし、経過措置が設けられています。ガイドラインの注記によると、2027年3月31日までの間は在留期間が3年であっても最長の在留期間を持っているものとして扱われます。さらに、2027年3月31日の時点で在留期間が3年の方については、その在留期間内に処分を受ける場合に限り、初回の申請のみ同じ扱いを受けられます。
| 時期 | 在留期間3年の扱い |
|---|---|
| 2027年3月31日まで | 最長の在留期間とみなされる |
| 2027年4月1日以降 | 原則として最長の在留期間ではない(初回のみ経過措置あり) |
つまり、在留期間が3年の方は、2027年3月31日までに申請を済ませておくと扱いが有利になる可能性があります。ただし、永住許可の審査には時間がかかるため、申請を急ぐことだけを目的にするのは避けましょう。
在留期間が1年の方は、まず在留期間の更新で3年や5年を目指すところから準備が始まります。長い在留期間が認められるかどうかは日ごろの在留状況によって変わるので、納税や届出を確実におこなうことが永住への近道になるでしょう。
永住許可申請の流れと必要書類
永住許可の申請は、書類の準備から結果が出るまでに時間がかかります。進め方は、次の4つのステップです。
- 住居地を管轄する出入国在留管理局に申請する
- 身分関係や収入、納税を証明する書類をそろえる
- 日本に住む人に身元保証人を依頼する
- 結果が出るまで待つ
それでは、順に見ていきましょう。
住居地を管轄する出入国在留管理局に申請する
永住許可申請の提出先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。勤務先の近くや希望する官署を選べるわけではないので、まずは自分の住所を管轄する官署を確認しましょう。受付時間は平日の午前9時から12時と、午後1時から4時までです。
申請できるのは、次の方です。
- 申請人本人
- 申請人本人の法定代理人
- 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士で、申請人から依頼を受けた方
- 申請人が経営または勤務している機関の職員で、承認を受けた方
また、手数料についても確認しておきましょう。これまでは許可されるときに10,000円を納める仕組みでしたが、2026年10月1日以降に受け付けられる申請からは200,000円に改定されます。2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月以降になっても改定前の金額です。
なお、定住者の方が申請する場合は、公式サイトの永住許可申請2のページに必要書類がまとめられています。あわせて、定住者用の提出書類チェックシートと永住許可申請セルフチェックシートも公開されているため、準備を始める前に目を通しておきましょう。
参考:出入国在留管理庁「永住許可申請」
参考:出入国在留管理庁「永住許可申請2(申請人の方が、「定住者」の在留資格である場合)」
参考:出入国在留管理庁「2026年10月1日から外国人の在留手続に関する手数料が改定されます」
身分関係・収入・納税を証明する書類をそろえる
定住者の方が永住許可を申請する場合、必要な書類は多岐にわたります。入管庁が案内している主な書類は次のとおりです。
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 申請の基本 | 永住許可申請書、写真、理由書、了解書 |
| 身分関係 | 戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書などのいずれか |
| 世帯の状況 | 申請人を含む家族全員の住民票 |
| 職業 | 在職証明書、または確定申告書控えの写し |
| 所得と納税 | 直近5年分の住民税の課税証明書と納税証明書、国税の納税証明書(その3) |
| 年金と医療保険 | 直近2年分の納付状況を証明する資料 |
| 資産 | 預貯金通帳の写し、不動産の登記事項証明書など |
| 身元保証 | 身元保証書、身元保証人の身分事項を明らかにする書類 |
とくに負担が大きいのは、所得と納税に関する書類です。住民税については直近5年分の課税証明書や納税証明書に加え、適正な時期に納めていたことを示す通帳の写しや領収証書も求められます。これは納付期限を過ぎた納付がないことを証明するためのもので、領収証書は必要な年数分を保管しておくよう入管庁も案内しています。
年金と医療保険についても、直近2年分の納付状況を示す資料が必要です。年金事務所が発行する被保険者記録照会回答票などが該当し、国民年金に加入していた期間がある方は領収証書の写しも求められます。
なお、入管庁は、提出書類がそろっていない申請は審査が大幅に遅れたり、不利益な処分につながったりする可能性があると注意を促しています。書類が足りていない方より、そろっている方の審査が優先される点も明記されているので、準備は入念におこないましょう。
日本に住む人に身元保証人を依頼する
永住許可申請では、身元保証人を立てることが求められます。入管庁は、身元保証人には通常、日本に居住する日本人、永住者または特別永住者の方になっていただくと案内しています。
提出するのは、身元保証書と、身元保証人の身分事項を明らかにする書類です。後者には運転免許証の写しなどが該当します。身元保証書の様式は入管庁のサイトからダウンロードでき、英語版も用意されています。
ここで気をつけたいのが、身元保証人の位置づけです。入管手続きにおける身元保証は、借金の連帯保証のように法的な支払い義務を負うものではありません。申請人が日本で安定して生活できるよう、生活面や帰国費用などで協力する意思を示すものとされています。とはいえ、依頼を受ける側にとっては重い判断になるため、趣旨を丁寧に説明して理解してもらいましょう。
身元保証人を頼めそうな方が思い当たらない場合は、職場の上司や長く付き合いのある知人などに相談してみるのもひとつの方法です。誰に依頼すればよいか迷うときは、申請の実務に詳しい行政書士に相談すると、状況に応じた進め方を教えてもらえます。
結果が出るまで半年から1年ほど待つ
入管庁が公表している永住許可申請の標準処理期間は、4ヶ月から6ヶ月です。ただし、実際にはこれより長くかかる傾向にあります。入管庁は在留審査処理期間として、申請から許可までの平均日数を毎月公表しており、近年の永住者に関する平均は10ヶ月前後で推移しています。
審査を待つあいだに注意したいのが、在留期間の扱いです。入管庁は、永住許可申請中に在留期間が経過する場合は、在留期間の満了する日までに別途在留期間更新許可申請をすることが必要と明記しています。つまり、永住許可を申請しても、定住者としての在留期間が自動で延びるわけではありません。
審査の期間が長いことを踏まえると、次の点を意識して準備を進めるとよいでしょう。
- 在留期間の満了日を確認し、更新の時期と重ならないか見ておく
- 審査中に転職や転居があったときは届出をおこなう
- 追加の資料を求められたら速やかに対応する
なお、公表されている平均日数は許可された案件のみの統計で、不許可の処分や申請の取下げは含まれていません。あくまで目安として捉え、1年近くかかる可能性も見込んだうえで、今後の生活の予定を立てていきましょう。
永住申請が不許可になりやすいケース
永住許可の審査は、ほかの在留資格の手続きより慎重におこなわれます。不許可につながりやすいのは、次の4つのケースです。
- 税金や社会保険料の未納や納付の遅れがある
- 収入が不安定、または扶養している人数に対して収入が少ない
- 交通違反や法令違反を繰り返している
- 申請の直前に転職や離婚をしている
それでは、順に見ていきましょう。
税金や社会保険料の未納・納付の遅れがある
公的な義務を果たしているかどうかは、国益の要件で確認される項目です。ガイドラインでは、納税、公的年金と公的医療保険の保険料の納付、入管法に定める届出などの義務を適正に履行していることが求められると定められています。
ここで見落とされがちなのが、納付の時期です。ガイドラインには、申請の時点で納税や納付が済んでいても、当初の期限内に履行されていない場合は原則として消極的に評価されるという注記があります。つまり、滞納を解消してから申請しても、遅れて納めた記録が残っていれば評価に影響するということです。
実際、定住者の方の提出書類には、直近5年間の住民税を適正な時期に納めていたことを証明する通帳の写しや領収証書が含まれます。年金や医療保険についても、直近2年分の納付状況を示す資料が必要です。納付の履歴は書類で確認されるため、記憶があいまいなまま申請するのは避けましょう。
なお、2026年8月に公表されたガイドラインの改定案では、公租公課の支払いについて、申請の時点で未納がなくても、過去に滞納処分を受けたことがあるなど適切に支払っていない状況が認められる場合は原則として消極的に評価する方針が示されました。この考慮要素は同一生計の世帯単位で審査するとも記載されています。
参考:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
参考:出入国在留管理庁「永住許可申請2(申請人の方が、「定住者」の在留資格である場合)」
収入が不安定、または扶養人数に対して収入が少ない
独立生計の要件では、日常生活において公共の負担にならず、将来において安定した生活が見込まれることが求められます。そのため、収入の額そのものだけでなく、安定して続いているかどうかも見られます。
審査で不利に働きやすいのは、次のような状況です。
- 無職の期間や収入が途切れた時期がある
- 年によって収入の増減が大きい
- 扶養している家族が多く、世帯の収入とのバランスが取れていない
とくに扶養している人数との関係は重要です。同じ年収でも、扶養する家族が多ければ1人あたりの生活費は少なくなるため、慎重に判断される場合があります。
そして、この部分は今後さらに明確になる見込みです。改定案では、申請者の属する世帯年収の額が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかを考慮するとされています。加えて、扶養する親族が海外に住んでいて同居していない場合も世帯人数に加えることが示されました。海外の家族を扶養している方は、求められる収入の水準が上がる可能性があるため、動向を確認しておきましょう。
交通違反や法令違反を繰り返している
素行が善良であることは、法律を守り、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることを指します。ガイドラインでは、罰金刑や拘禁刑などを受けていないことも国益の要件として挙げられています。
交通違反については、1回の軽微な違反ですぐに不許可となるわけではありません。ただし、違反が何度も重なっていると、法律を守る姿勢に疑問を持たれる可能性があります。とくに、反則金の納付が遅れていた記録がある場合は、公的な義務の履行という観点からも影響しかねません。
また、改定案では刑罰法令への違反について、拘禁刑や罰金刑を受けた方に加え、少年法による保護処分を受けている方も原則として消極的に評価する方針が示されています。あわせて、入管法上の義務についても、申請時点で違反の状態にある場合だけでなく、過去の義務違反が判明した場合も原則として消極的に評価するとされました。
ここでいう入管法上の義務には、住居地の届出や在留カードの常時携帯といったものが含まれます。日々の暮らしのなかで忘れやすい手続きなので、これまでの届出に漏れがないか一度振り返っておきましょう。
申請直前に転職や離婚をしている
申請の直前に生活の状況が大きく変わると、審査で慎重に判断される場合があります。理由は、将来において安定した生活が見込まれるかという点を、変化したあとの状況で評価しなければならないからです。
| 直前の変化 | 審査で見られやすい点 |
|---|---|
| 転職 | 新しい勤務先での収入が安定して続く見込みがあるか |
| 退職 | 収入が途切れた期間と再就職の状況 |
| 離婚 | 定住者として在留を認められた事情が変わっていないか |
とくに定住者の方が注意したいのが、離婚や死別といった身分関係の変化です。日本人や永住者との離婚を理由に定住者となった方であれば影響は小さいものの、家族との関係を基礎として在留が認められている場合は、その基礎が変わることになります。
なお、転職そのものが禁止されているわけではありません。審査中に勤務先が変わった場合も、届出をおこない、必要に応じて資料を提出すれば対応できます。ただし、収入が大きく下がったり、無職の期間が長引いたりすると審査に影響する可能性があるため、申請の時期は生活が落ち着いているタイミングを選ぶのが安全です。
定住者・永住者の手続きで迷ったら行政書士に相談するのがおすすめ
永住許可申請は、要件の判断も書類の準備も負担の大きい手続きです。行政書士に相談すると、次の2つの面で助けになります。
- 自分がどの要件を満たしているかを整理してもらえる
- 不許可につながる要素を申請前に洗い出せる
それでは、順に見ていきましょう。
自分がどの要件を満たしているかを整理してもらえる
永住許可の要件は、素行、独立生計、国益という3つの柱で構成されており、それぞれに細かな考慮要素があります。自分がどこまで満たしているのかを、ガイドラインを読むだけで判断するのは簡単ではありません。
とくに定住者の方の場合、次のような点で判断に迷いやすくなります。
- 定住者になってからの年数が5年に届いているか
- 以前の在留資格の期間を含めて10年の原則で申請できるか
- 現在の在留期間が最長のものにあたるか
- 世帯の収入が要件を満たす水準にあるか
行政書士に相談すれば、これまでの在留の履歴や家族の状況を踏まえて、どの要件で申請できるのかを整理してもらえます。5年の特例で申請するのか、10年の原則で申請するのかによって、必要な資料も準備の進め方も変わります。
また、出入国在留管理庁への申請は、届け出をおこなった行政書士が申請の取次をできる手続きです。入管の窓口へ出向く負担が減るので、平日に時間を取りにくい方にとっては実務面でも助けになるでしょう。
不許可につながる要素を申請前に洗い出せる
永住許可申請には、不服申立ての制度がありません。入管庁の案内でも、不服申立方法はなしと明記されています。つまり、不許可になった場合は、改めて申請し直すしかないということです。
しかも、審査には長い時間がかかります。標準処理期間は4ヶ月から6ヶ月とされていますが、実際にはさらに長くなる傾向があります。加えて、2026年10月1日以降に受け付けられる申請の手数料は200,000円です。不許可になったときの時間と費用の負担を考えると、申請前に懸念点をつぶしておく価値は大きいといえます。
申請前の確認では、次のような点を一緒に見ていくことになります。
- 納付が遅れていた記録が残っていないか
- 世帯の収入と扶養している人数のバランスは取れているか
- 交通違反や届出の漏れがないか
- 申請の時期として適切なタイミングか
入管庁も、提出書類がそろっていない申請は審査が大幅に遅れたり、不利益な処分になり得たりすると案内しています。自分では気づけない不足を事前に見つけられる点が、専門家に相談する意味だといえるでしょう。
定住者・永住者の申請ならai行政書士法人におまかせ
定住者から永住者への切り替えは、在留年数の数え方から納税や年金の記録の確認まで、ひとりで判断するには負担の大きい手続きです。しかも永住許可申請には不服申立ての制度がなく、2026年10月1日以降の申請は手数料も200,000円に上がります。
ai行政書士法人は、札幌を拠点に在留資格の申請をはじめとした許認可手続きをサポートしている行政書士法人です。
- 在留資格の申請から相続・建設業許可・飲食店営業許可まで幅広く対応している
- 申請の準備から許可を受けたあとのフォローまで、最後までしっかりとサポートする
- 税理士・司法書士・弁護士などの他士業とも提携しており、複数の分野にまたがる相談もまとめて任せられる
- 対応のスピードが早く、丁寧なやり取りを心がけている
自分が要件を満たしているかわからない段階でも問題ありません。初回の相談は無料で、無料相談フォームのほか、お電話(0120-669-291、平日9:00〜20:00)やLINEからもお気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事では、定住者と永住者の違いを比較表で整理したうえで、それぞれの在留資格の特徴と、定住者から永住者に切り替えるための条件や申請の流れを解説しました。2つの大きな違いは、在留期間の更新が必要かどうかです。定住者は最長5年の在留期間ごとに更新の審査を受けますが、永住者には在留期間の制限がなく、更新の手続きもありません。
永住許可を受けるには、定住者として5年以上日本に在留していることに加え、素行、独立生計、国益という3つの要件を満たすことが求められます。定住者は日本人や永住者の配偶者と違って要件の免除がないため、納税や年金の記録、世帯の収入などを丁寧に整えていくことが大切です。
まずは手元の在留カードで自分の在留資格と在留期間を確認し、これまでの納付状況を振り返るところから始めましょう。とはいえ、5年の特例と10年の原則のどちらで申請できるのか、いまの状況で要件を満たしているのかを自分だけで判断するのは難しい場合もあるでしょう。
定住者から永住者への切り替えを考えているなら、ai行政書士法人への相談がおすすめです。札幌を拠点に、在留資格の申請をはじめとした許認可手続きのサポートをおこなっています。初回の相談は無料なので、要件を満たしているか不安な段階でもお気軽にご相談ください。
よくある質問
定住者と永住者の違いや、永住許可の申請に関して、よくいただく質問にお答えします。
- 定住者と永住者はどちらが有利ですか?
-
日本で長く暮らすことを考えるなら、永住者のほうが安定しています。永住者は在留期間にも活動の内容にも制限がなく、更新の審査を受ける必要がありません。一方で定住者は、最長5年の在留期間ごとに更新の手続きが必要で、そのたびに審査を受ける立場です。
ただし、両者は選んで取得できるものではありません。定住者は日系人であることや、日本人との離婚・死別といった個別の事情を考慮して認められる在留資格です。そして永住者は、一定の期間日本に在留し、素行や生計、国益に関する要件を満たしてはじめて許可されます。
したがって、定住者として日本での生活を続けながら要件を整え、永住許可を目指すという順序になります。いま定住者の方であれば、5年以上の在留という特例を使えるので、条件を確認しながら準備を進めましょう。
- 永住者になれば日本国籍も取得できますか?
-
永住者になっても、日本国籍が与えられるわけではありません。永住は日本に住み続けるための在留資格であり、国籍を取得する制度ではないからです。日本国籍を取得したい場合は、帰化という別の手続きをおこないます。
帰化は、法務局または地方法務局で申請し、法務大臣の許可を受ける制度です。出入国在留管理庁も、帰化した場合は入管法にもとづく在留管理の対象ではなくなると説明しています。つまり、帰化すると在留カードの携帯や各種の届出も不要になります。
なお、帰化の条件には、日本に住んでいる期間や生計の状況に加え、日常生活を営むのに十分な日本語能力を持ち、日本社会に融和していることも含まれます。永住と帰化では求められる要件も手続きの窓口も異なるので、どちらを目指すかを決めてから準備を始めましょう。
- 定住者のまま日本に住み続けることはできますか?
-
在留期間の更新が認められ続けるかぎり、定住者のまま日本で暮らせます。永住許可の申請が義務づけられているわけではないので、更新を重ねながら生活を続けている方も多くいます。
ただし、更新は自動的に認められるものではありません。在留期間更新許可申請の審査基準では、在留資格に応じた身分や地位を持ち、かつ在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があることが求められます。在留を認められた事情が変わったり、生活の状況が大きく変化したりすると、更新の判断に影響する可能性があります。
また、2026年10月1日以降に受け付けられる更新申請の手数料は、許可される在留期間に応じて33,000円から75,000円です。在留期間が1年の方は毎年この負担が続くため、費用の面からも永住許可を検討する価値はあるでしょう。
- 永住申請中に定住者の在留期間が切れたらどうなりますか?
-
永住許可を申請しても、いまの在留期間は自動で延びません。出入国在留管理庁は、永住許可申請中に在留期間が経過する場合は、在留期間の満了する日までに別途在留期間更新許可申請をすることが必要と明記しています。
永住許可の審査には時間がかかり、標準処理期間は4ヶ月から6ヶ月ですが、実際にはさらに長引く傾向にあります。そのため、申請から結果が出るまでのあいだに在留期間の満了日を迎えるケースは珍しくありません。永住許可を申請したあとも、自分の在留期限は必ず把握しておきましょう。
在留期間が6ヶ月以上ある方は、満了日の3ヶ月前から更新の申請を受け付けてもらえます。永住許可の審査が続いているかどうかにかかわらず、期限が近づいたら更新の手続きを進めてください。更新を忘れると在留資格を失うことになるため、ここは確実に対応しましょう。
- 永住者が離婚した場合、在留資格に影響はありますか?
-
永住者本人であれば、離婚しても在留資格は変わりません。永住者は活動の内容にも在留期間にも制限がなく、配偶者との関係を条件として認められているものではないからです。この点は、身分関係の変化が更新に影響しやすい定住者と大きく違います。
気をつけたいのは、永住者と結婚して「永住者の配偶者等」の在留資格で暮らしている方です。この在留資格は永住者の配偶者であることを前提としているため、離婚するとその前提がなくなります。そのまま日本での在留を希望する場合は、定住者などへの在留資格の変更を検討することになるでしょう。
なお、永住者本人でも、住所や勤務先が変わったときの届出は必要です。2027年4月1日からは永住者の在留資格の取消制度が拡充される予定なので、届出や公的な義務は引き続き確実に果たしていきましょう。
