特定技能の転職者を受け入れる手続きは?条件・必要書類・流れ

特定技能の転職者を受け入れる手続きは?条件・必要書類・流れ

特定技能の外国人を転職者として受け入れることになったものの、「何から手をつければよいのか」「許可が出る前に働いてもらってもよいのか」と迷っていないでしょうか。

特定技能の外国人は、技能実習と違って、条件を満たせば別の会社へ転職できます。ただし、転職者が新しい会社で働くには在留資格の変更許可申請が必要で、受け入れる会社も書類を用意しなければなりません。

同じ分野の転職でも省略できず、許可が出る前に働いてもらうと、不法就労助長罪に問われるおそれがあります。はじめて転職者を受け入れる担当者にとって、手続きの順番や期間は見えにくいところです。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • 転職者を受け入れられるケース
  • 受け入れる会社が満たす要件
  • 手続きの流れと用意する書類
  • 費用と入社までの期間
  • 前の会社と本人が出す届出

特定技能の転職者をはじめて受け入れる企業の人事・採用担当者の方に、手続きの全体像と気をつける点をまとめてお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

佐藤 秀樹

ai行政書士法人 代表行政書士。
行政書士として30年以上の経験を持ち、法人設立、相続、建設業許可、在留資格などの分野に精通。
創業からの精神である「誠意」と「情熱」に加え、法人名に込めた「愛(ai)」と「誠実(Integrity)」を胸に、お客様一人ひとりに深く寄り添います。確かな実績と最新の知見で、地域社会とお客様の未来をサポートします。

目次

特定技能の転職は自由だが、同じ分野でも在留資格変更許可申請が必要

特定技能の外国人は、技能実習と違って、会社を変えること自体は認められています。ただし、転職先で働くには、在留資格「特定技能」の変更許可申請をして、許可を受けなければなりません。同じ分野の会社へ移る場合でも、この申請は省略できません。

必要な手続きは、何が変わるかによって決まります。受け入れる会社が変わるなら変更許可申請、同じ会社のまま業務内容だけが変わるなら届出です。

転職の状況必要な手続き
同じ分野で、会社を変える在留資格の変更許可申請
別の分野の業務に変わる在留資格の変更許可申請
同じ会社で、同じ分野の業務内容だけ変わる雇用契約の変更に係る届出

また、転職が認められるのは、同じ業務区分の中、または試験などで技能水準の共通性が確認されている業務区分の間に限られます。受け入れる会社は、転職者が従事する業務区分を、最初に確かめておきましょう。

申請をするのは転職者本人ですが、雇用契約、支援計画、会社の書類を用意するのは受け入れる会社です。人事担当者が流れを知っているかどうかで、入社日の調整のしやすさが変わります。

参考:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」

許可が出る前に働かせると不法就労助長罪になるおそれがある

転職先の入社日を急ぐ場面でも、変更許可を受ける前に、転職者を新しい会社で働かせることはできません。許可が出る前に転職先で働かせると、不法就労助長罪に問われるおそれがあります。不法就労には、在留資格で認められた範囲を超えて働く場合も含まれており、許可前の就労はこの範囲を超えるおそれがあるためです。

不法就労助長罪の罰則は、次のとおりです。

時期罰則
現在3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
令和9年4月1日以降の予定5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金

外国人が不法就労だと知らなかった場合でも、在留カードの確認を怠るなどの過失があれば、処罰を免れません。そのため、転職者が変更許可を受けたことを確かめてから、就労を開始してもらいましょう。

参考:出入国在留管理庁「外国人の適正な雇用にご協力ください」

特定技能外国人を転職者として受け入れられる3つのケース

転職者として受け入れられるのは、次の3つのケースです。どのケースにあたるかで、確認する要件と申請の中身が変わります。なお、特定技能1号は通算で原則5年を超えて在留できないため、転職者の通算在留期間がどれだけ残っているかも、受け入れる前に聞き取っておきましょう。また、転職者本人に住民税や社会保険料の未納がないかも、審査で見られる点です。

  • 同じ分野・同じ業務区分の特定技能外国人
  • 別の分野や業務区分の特定技能外国人
  • 技能実習2号を修了した人

以下、それぞれのケースで、受け入れる会社が確認することを見ていきます。

参考:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」

同じ分野・同じ業務区分の特定技能外国人

もっとも受け入れやすいのは、同じ分野の同じ業務区分で、別の会社から移ってくる特定技能外国人です。たとえば、外食業の会社から、同じ外食業の別の会社へ移るケースがあたります。従事する業務が変わらないため、手続きの中心は、受け入れる会社の要件の確認と、書類の準備です。

新たに必要になるのは、受け入れる会社との特定技能雇用契約と、在留資格の変更許可申請になります。

別の分野や業務区分の特定技能外国人

分野や業務区分が変わる転職は、確認する点が増えます。従前の分野と異なる分野の業務に変わる場合も、在留資格の変更許可申請が必要です。移る先の分野や業務区分で求められる技能水準を満たしているかは、試験の合格などで確認されます。

さらに、受け入れる会社の事業が、移る先の分野の対象に当たっているかも確かめましょう。転職者が希望する業務と、会社が任せたい業務が合っているかは、契約の前に話し合っておくと、食い違いを防げるでしょう。

技能実習2号を修了した人

技能実習2号を修了した人は、特定技能1号へ移行して、新しい会社で働けます。技能実習2号を良好に修了していて、実習した職種や作業と特定技能の業務に関連性がある場合は、技能試験と日本語試験が免除されます。

良好な修了とは、計画に従って2年10ヶ月以上の実習を終えていることです。移行の申請は実習の途中でもおこなえますが、修了後は変更許可を受けるまで働けません。

特定技能2号の人を転職者として受け入れる場合の違い

特定技能2号の人を転職者として受け入れる場合も、勤務先が変わるときは、在留資格の変更許可申請が必要です。

1号と大きく違うのは、支援計画にもとづく支援の対象外で、通算の在留期間にも上限がない点です。

項目特定技能1号特定技能2号
対象分野19分野11分野
支援計画と登録支援機関支援の対象支援の対象外
通算の在留期間原則5年まで上限なし
家族の帯同原則認められない要件を満たせば可能

したがって、2号の人を受け入れる会社は、支援体制の整備や登録支援機関への委託を考えなくて済みます。一方で、対象分野は11分野に限られます。

受け入れる会社の事業と転職者の業務が、2号の対象に当たるかを、最初に確認しましょう。

転職者を受け入れる企業が満たす7つの要件

特定技能1号の転職者を受け入れる会社は、次の7つの要件を満たしていることが求められます。契約を結んだあとで要件を満たしていないとわかると、入社日の調整が難しくなります。

契約の前に、ひとつずつ確かめておきましょう。

  • 対象分野・業務区分への該当
  • 分野別の協議会への加入
  • 労働・社会保険・税に関する法令の遵守
  • 日本人と同等以上の報酬
  • 過去1年以内に同種業務の離職者を出していないこと
  • 支援体制と支援計画の整備
  • 地域との共生施策への協力確認書

対象分野・業務区分への該当

受け入れる会社の事業と、転職者に任せる業務の両方が、特定技能の対象に当たっていなければなりません。1号の対象分野は、令和8年7月末時点で19分野です。

同じ分野の中でも業務区分が分かれているため、転職者に任せる業務がどの区分に入るかを、雇用契約の前に確かめましょう。事業の内容が対象の分野に当たらない会社は、特定技能の外国人を雇用できません。

参考:出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」

分野別の協議会への加入

受け入れる会社は、分野ごとに設けられた協議会などの構成員になり、制度の周知や受入れ状況の把握に協力します。申請の書類には、協議会の構成員であることの証明書が含まれるため、加入はあらかじめ済ませておきましょう。

転職者が協議会の会員企業から移ってくる場合は、人材の引き抜きにあたらないかを確かめるために、協議会の案内に取り決めがないかも読んでおきましょう。

労働・社会保険・税に関する法令の遵守

受け入れる会社は、労働に関する法令、社会保険に関する法令、税に関する法令を守っていなければなりません。具体的には、労働保険料と社会保険料、国税、法人住民税を納めていることが、書類で確認されます。

未納がある場合は、納付を済ませてから申請しましょう。転職者を雇い入れる前に、経理や総務の担当者へ、納付の状況を確かめてもらうと確実です。

日本人と同等以上の報酬

転職者に支払う報酬は、同じ業務に就く日本人の従業員と同等以上でなければなりません。報酬の額は、雇用契約書と雇用条件書に明記し、日本人の従業員の賃金と比べて同等以上であることを説明できるようにしておきます。

口頭で伝えた金額と契約書の金額が食い違うと、審査でも転職者との間でも、トラブルのもとになります。報酬は、契約を結ぶ時点で決め、書面に残しましょう。

過去1年以内に同種業務の離職者を出していないこと

契約を結ぶ日の1年前から契約日までの間に、同じ種類の業務に就いていた従業員を、会社の都合で離職させていないことも要件です。解雇や契約の打ち切りのように、本人の意思によらない離職が対象になります。

この要件にあたる離職があると、審査で認められないおそれがあります。人員整理をおこなったばかりの会社は、離職の時期と業務の種類を、受け入れの前に整理しておきましょう。

支援体制と支援計画の整備

特定技能1号の外国人には、仕事だけでなく、生活面の支援が義務づけられています。受け入れる会社は、1号特定技能外国人支援計画を作り、計画に沿って支援をおこなうのが役割です。自社で支援する場合は、支援責任者と支援担当者を置き、転職者が理解できる言語で支援できる体制が求められます。

体制を整えられない場合は、支援の全部を登録支援機関へ委託する方法もあるので、検討しましょう。

地域との共生施策への協力確認書

協力確認書は、地方公共団体が進める外国人との共生施策に、受け入れる会社が協力する意思を示す書類です。令和7年4月1日から運用が始まりました。外国人を受け入れる会社には、働く場だけでなく、地域で暮らす人としての受け入れにも協力する姿勢が求められます。

特定技能1号の外国人を新たに受け入れる会社は、申請の前に、協力確認書を市区町村へ提出しなければなりません。

特定技能の転職者を受け入れる手続きの流れ

転職者の受け入れは、雇用契約を結ぶところからはじまり、変更許可を受けて就労を開始するまでの5つのステップで進みます。

手順要点
1. 転職者と特定技能雇用契約を結ぶ報酬や業務内容を書面で決める
2. 支援計画を作り、支援体制を決める自社で支援するか委託するかを決める
3. 申請書類を準備する会社の書類と本人の書類をそろえる
4. 地方出入国在留管理局に変更許可申請をする転職者の住居地を管轄する官署に出す
5. 新しい在留カードを受け取り、就労を開始する許可後に入社し、届出をおこなう

入社日は、ステップ4の許可が出た日以降です。そのため、早い段階から申請の時期を逆算しておくと、日程がずれにくくなります。

1. 転職者と特定技能雇用契約を結ぶ

はじめにおこなうのは、転職者と特定技能雇用契約を結ぶことです。契約書には、業務内容、労働時間、休日、報酬、契約期間を書き、転職者が理解できる言語の雇用条件書も用意します。

報酬は、同じ業務に就く日本人の従業員と同等以上になっているかを確かめてから、決めましょう。転職者が在職中の場合は、前の会社への退職の申し出と入社日の調整も、並行して進めましょう。

2. 支援計画を作り、支援体制を決める

つぎに、1号特定技能外国人支援計画を作り、支援の体制を決めます。自社で支援する場合は、支援責任者と支援担当者を決めて、計画の内容を実施できるかを確かめましょう。

登録支援機関へ委託する場合は、委託先を選び、支援委託契約を結びます。自社で支援するか委託するかは、申請書類の中身にも影響するため、この段階で決めておくのがよいでしょう。

3. 申請書類を準備する

契約と支援の体制が決まったら、次は申請書類の準備です。会社側では、雇用契約書、支援計画書、会社の概要書、納付関係の書類を用意します。本人側では、パスポートと在留カードの提示、写真、申請書の本人記入欄などを準備してもらいます。協力確認書の市区町村への提出も、この段階でおこないましょう。

登記事項証明書や納税証明書は、発行から期間が過ぎると使えなくなるため、申請の直前に取りましょう。

4. 地方出入国在留管理局に変更許可申請をする

書類がそろったら、地方出入国在留管理局へ、在留資格の変更許可申請をします。申請先は、転職者の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。申請は転職者本人のほか、取次の承認を受けた所属機関の職員や、届出をした行政書士もおこなえます。

標準処理期間は1ヶ月から2ヶ月で、許可が出るまでは、転職先で働かせられません。書類に不足があると追加の提出を求められ、その分だけ審査が長引くでしょう。

参考:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」

5. 新しい在留カードを受け取り、就労を開始する

許可が出たら、転職者が新しい在留カードを受け取り、就労を開始します。入社後は、受け入れる会社にも届出があるので、期限を押さえておきましょう。新たに特定技能雇用契約を結んだ日から14日以内に、入管庁へ届け出ます。

また、ハローワークへの外国人雇用状況の届出は、雇用保険の被保険者なら、雇入れの翌月10日までが期限です。年に1回の定期届出も、4月1日から翌年3月31日までの分を、翌年5月31日までに提出します。

受入れ企業が用意する9つの書類

受け入れる会社が用意する書類は、次の9つです。書類の種類は、分野や会社の形態によって変わるため、申請の前に入管庁のページで、最新の様式を確かめましょう。

転職者本人には、パスポートと在留カードの提示、写真、申請書の本人記入欄などを準備してもらいます。会社の書類と同じ時期に案内しておくと、進めやすくなります。

  • 特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し
  • 1号特定技能外国人支援計画書
  • 特定技能所属機関概要書と登記事項証明書
  • 役員の住民票の写し
  • 労働保険料・社会保険料の納付関係書類
  • 国税と法人住民税の納税証明書
  • 協議会の構成員であることの証明書
  • 市区町村への協力確認書
  • 分野別の追加書類

以下、書類ごとに、集めるときの注意点を見ていきましょう。

参考:出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」」

特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し

転職者と結んだ契約の内容を示す書類です。業務内容、労働時間、休日、報酬、契約期間を記載し、写しを提出します。報酬は、日本人の従業員と同等以上であることがわかるように書いておきます。雇用条件書は、転職者が理解できる言語で作りましょう。

1号特定技能外国人支援計画書

生活面の支援を、いつ、誰が、どのようにおこなうかを書く書類です。自社で支援する場合は、支援責任者と支援担当者の氏名も記載しましょう。登録支援機関へ委託する場合は、委託先と一緒に作成すると、支援の内容にずれが出にくくなります。

特定技能所属機関概要書と登記事項証明書

概要書は、会社の事業内容や従業員数などを記載する書類です。登記事項証明書は、法務局で取得します。登記事項証明書は、発行から期間が過ぎると使えなくなるため、ほかの書類がそろってから取得しましょう。

役員の住民票の写し

法人の役員の住民票の写しです。役員が複数いる会社は、それぞれの住民票を取り寄せるため、集めるのに日数がかかります。役員へ早めに依頼し、請求する項目は役所の窓口で確かめましょう。

労働保険料・社会保険料の納付関係書類

労働保険料と社会保険料を納めていることを示す書類です。領収証書の写しなど、納付の状況がわかるものを用意します。未納や滞納があると書類がそろわないため、申請の前に納付の状況を確かめておきましょう。

社会保険の手続きそのものは、社会保険労務士の業務です。

国税と法人住民税の納税証明書

国税の納税証明書は税務署で、法人住民税の納税証明書は市区町村などで取得します。個人事業主の場合は、個人の所得税や住民税が対象です。納税証明書は、未納がないことを示す書類のため、納付を済ませたあとに請求しましょう。

税務申告や税務相談は税理士の業務なので、納税の状況に不安があるときは、税理士へ確認します。

協議会の構成員であることの証明書

分野別の協議会などの構成員になっていることを示す書類です。申請の時点で構成員になっていなければ、証明書を用意できません。協議会ごとに加入の申請方法が異なるため、案内を確かめて、早めに手続きを進めましょう。

市区町村への協力確認書

協力確認書の提出先は、転職者が働く事業所の所在地と、転職者の住居地が属する市区町村です。地方出入国在留管理局や都道府県への提出は、必要ありません。

新たに受け入れる場合は、特定技能雇用契約を結んだあと、変更許可申請をおこなう前に提出します。弁護士、行政書士、登録支援機関の職員などの代理人による提出も可能です。

参考:出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携に係るQ&A」

分野別の追加書類

特定技能の書類には、分野ごとに追加で求められるものがあります。入管庁のページには、分野ごとの様式が用意されているため、受け入れる分野の様式を確かめましょう。

分野によっては、所管の省庁への手続きが先に必要になる場合があるため、早めに確認をはじめます。書類の内容が確認できないときは、外国人在留総合インフォメーションセンターへ問い合わせましょう。

転職者の受入れにかかる費用一覧

転職者の受け入れにかかる費用は、入管庁に納める手数料と、専門家へ書類の作成を依頼する費用、登録支援機関へ支援を委託する費用です。自社で書類を作り、支援も自社でおこなう場合は、専門家や登録支援機関への費用はかかりません。

費用払う先金額の決まり方
在留資格変更許可申請の手数料入管庁許可された在留期間で決まる
書類作成を専門家に依頼する費用行政書士事務所事務所ごとに定めている
登録支援機関に支援を委託する費用登録支援機関委託する支援の範囲で変わる

在留資格変更許可申請の手数料

手数料は、許可される在留期間によって決まります。令和8年10月1日以降に申請した場合の金額は、次のとおりです。特定技能1号の在留期間は、3年を超えない範囲で個別に指定される点も押さえましょう。

許可される在留期間窓口オンライン
3ヶ月以下10,000円10,000円
3ヶ月を超え6ヶ月以下18,000円15,000円
6ヶ月を超え1年未満25,000円21,000円
1年33,000円27,000円
1年を超え3年未満48,000円42,000円
3年以上5年未満64,000円56,000円

窓口で申請する場合は、許可を受けるときに収入印紙で納付します。オンラインで申請する場合は、別途、決済手数料がかかるので注意しましょう。

参考:出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
参考:出入国在留管理庁「在留許可手数料の額の改定について」

書類作成を専門家に依頼する費用

書類の作成や申請の取次を行政書士に依頼する場合は、報酬が別にかかります。報酬の額は事務所ごとに定めており、一律ではありません。見積りを取るときは、書類の作成だけでなく、協力確認書の提出や申請の取次まで含まれているかを確かめましょう。自社で進める場合、この費用はかかりませんが、書類を集める手間と、不備があったときの出し直しの時間が、会社の負担になるでしょう。

登録支援機関に支援を委託する費用

支援を登録支援機関に委託する場合は、委託料がかかります。委託料は機関ごとに定めており、支援の範囲や外国人の人数によって異なります。依頼先を比べるときは、転職者の受け入れに必要な支援が、すべて含まれているかを確かめましょう。

また、支援委託契約を結んだとき、変更したとき、終了したときは、14日以内に入管庁へ届出が必要です。

入社までにかかる期間と入社日の決め方

転職者の入社日は、変更許可が出た日を基準に決めます。入管庁が示す変更許可申請の標準処理期間は、1ヶ月から2ヶ月です。書類に不備があれば、さらに時間がかかります。外食業分野では、申請が増えているため、審査の状況が公表されています。

2026年10月19日掲載のページでは、申請の区分ごとに受付日の目安が示されているので、外食業分野の転職者を受け入れるときは、申請の前に最新の状況を確かめましょう。転職者の状況は、次の3つに分けて考えると、入社日を決めやすくなります。

  • 在職中の転職者は許可後に退職してもらう
  • すでに退職している転職者は許可まで働けない
  • 在留期限が迫っている転職者は特定活動で就労できる場合がある

参考:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
参考:出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況(2026年10月19日掲載)」

在職中の転職者は許可後に退職してもらう

転職者が前の会社に在職している場合は、受け入れる会社と雇用契約を結んで、先に変更許可申請をします。前の会社を退職してもらうのは、許可が出たあとです。許可の前に退職すると、その日から入社できる日までの間、働けない期間が生まれます。

前の会社へ退職日を伝える時期は、転職者と相談して決めましょう。入社日は、許可が出た日以降で、前の会社の退職日の翌日に合わせると、空白が出ません。

すでに退職している転職者は許可まで働けない

すでに前の会社を退職している転職者は、変更許可を受けるまで、受け入れる会社で働けません。申請から許可までは1ヶ月から2ヶ月ほどかかるため、その間の生活費も、転職者の不安になります。

特定技能の活動を、正当な理由なく3ヶ月以上おこなっていないと、在留資格が取り消されることがあります。受け入れの準備と申請は、早めに進めましょう。

在留期限が迫っている転職者は特定活動で就労できる場合がある

特定活動(6ヶ月・就労可)は、特定技能1号への移行を希望する人が、移行の準備をしながら、受け入れ先で働くための在留資格です。外食業分野の審査状況を示すページには、在留期間の満了前に許可が得られない見込みの場合、特定活動(特定技能1号準備)への変更や在留期間の更新を案内されることがある、と書かれています。在留期限が近い転職者は、期限に間に合うよう、申請の準備を前倒しで進めましょう。

特定活動の対象は、通算在留期間が4年6ヶ月以内の人です。特定活動で在留した期間も、1号の通算5年に含まれます。1号の在留中に転職する人が使えるかどうかは、入管庁のページに記載がないため、外国人在留総合インフォメーションセンターで確かめましょう。

参考:出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)」

転職者の退職時に前の会社と本人が出す届出

転職者が前の会社を辞めるときは、前の会社と本人のそれぞれに、届出の義務があります。前の会社と本人が出す5つの届出と、出す人、期限は、次のとおりです。

届出出す人期限
受入れ困難に係る届出前の会社事由が生じた日から14日以内
特定技能雇用契約の終了に係る届出前の会社終了した日から14日以内
支援委託契約の終了に係る届出前の会社終了した日から14日以内
外国人雇用状況の届出(離職)前の会社離職の翌日から10日以内など
所属(契約)機関に関する届出(本人)転職者本人事由が生じた日から14日以内

受け入れる会社が出す届出ではありませんが、転職者の退職日を決めるときに、前の会社が期限内に届出をしているかを聞き取っておくと、手続きの行き違いを避けられます。

参考:出入国在留管理庁「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出」

受入れ困難に係る届出

経営上の都合や、特定技能外国人の病気、行方不明、帰国などで、受け入れを続けることが難しくなったときに出す届出です。出すのは前の会社で、事由が生じた日から14日以内に、入管庁へ届け出ます。

この届出は、特定技能雇用契約の終了の届出より前に出すもので、事前に出せなかったときは、終了の届出と一緒に提出します。転職に伴う退職でこの届出が必要かは、入管庁のページに明記がないため、前の会社に入管庁へ確かめてもらいましょう。

特定技能雇用契約の終了に係る届出

前の会社と転職者との特定技能雇用契約が終了したときに出す届出です。契約が終了した日から14日以内に、前の会社が入管庁へ届け出ます。

届出に記載するのは、契約を終了した年月日と、終了の事由です。契約の終了が契約期間の満了以外の事由によるときは、受入れ困難に係る届出を事前に出していなければ、あわせて出すとされています。

支援委託契約の終了に係る届出

前の会社が登録支援機関に支援を委託していた場合に出す届出です。支援委託契約を終了したときは、終了の年月日と事由を記載して、14日以内に入管庁へ届け出ます。支援を自社でおこなっていた会社には、この届出はありません。

外国人雇用状況の届出(離職)

前の会社が、ハローワークへ出す届出です。雇用保険の被保険者の場合は、離職の翌日から数えて10日以内に、雇用保険の資格喪失の手続きにあわせて届け出ます。

雇用保険の被保険者でない場合は、離職の翌月末日までが期限です。届出を怠ると、30万円以下の罰金が科されます。

参考:埼玉労働局「外国人雇用は、ルールを守って適正に!」

所属(契約)機関に関する届出(本人)

転職者本人が出す届出です。前の会社との契約が終わったとき、新しい会社と契約を結んだときに、それぞれ事由が生じた日から14日以内に出します。電子届出システムなら24時間365日届出ができ、窓口や郵送でも出せます。

期限は、入社日ではなく、契約の終了と締結のそれぞれの日から数えるのが原則です。受け入れる会社は、入社の前に、転職者へ期限を伝えておきましょう。

参考:出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」

特定技能の転職者の受入れ手続きならai行政書士法人

転職者の受け入れは、自社で進めることもできます。ただし、雇用契約、支援計画、会社の書類、協力確認書、変更許可申請と、用意する項目が多く、入社予定日が決まっているほど、時間の余裕がなくなります。自社で進めるか、専門家に任せるかは、担当者の人数と入社までの日数で判断しましょう。

ai行政書士法人は、札幌の行政書士法人として、在留資格の変更許可申請をはじめとする手続きを扱っています。転職者の受け入れで迷いやすい点を、次のような形でお手伝いします。

  • 初回相談は1時間まで無料で、依頼の前に進め方を相談できる
  • 在留資格の変更許可申請に必要な書類の作成を任せられる
  • 弁護士や社会保険労務士など、連携する専門家もワンストップで対応
  • AIの活用で、手続きのスピード化が可能
  • 問い合わせはフォーム、電話、LINEから、フォームは24時間受付

まとめ

この記事では、特定技能の転職者を受け入れるときの条件、必要書類、費用、期間、手続きの流れを解説しました。特定技能の転職は自由ですが、同じ分野でも在留資格の変更許可申請が必要で、許可が出る前に働かせることはできません。

はじめて受け入れる場合は、要件の確認、書類の準備、市区町村への協力確認書の提出を、入社予定日から逆算して進めましょう。前の会社と本人が出す届出の期限も、転職者に伝えておくと、手続きが滞りません。

自社だけで進めるか迷うときは、ai行政書士法人への相談が選択肢になります。在留資格の変更許可申請を扱う行政書士法人として、書類の確認からご相談をお受けします。初回相談は1時間まで無料です。

よくある質問

従業員の特定技能外国人から転職したいと言われたら、会社は何をすればよいですか?

まず、本人の意思と転職先の予定を聞き、退職日を話し合います。転職を理由に不利益な扱いをしないよう、気をつけましょう。退職が決まったら、次の届出を期限内に出します。

・特定技能雇用契約の終了に係る届出は、14日以内
・受入れ困難に係る届出は、要否を入管庁に確認
・支援委託契約の終了に係る届出は、委託していた場合に14日以内
・外国人雇用状況の届出は、離職の翌日から10日以内

外国人雇用状況の届出の10日以内は、雇用保険の被保険者の場合の期限です。被保険者でない場合は、離職の翌月末日までです。

特定技能1号の通算5年を過ぎるとどうなりますか?

特定技能1号は、通算で原則5年を超えて在留できません。転職しても通算の期間はリセットされず、前の会社で働いた期間も数えます。5年を過ぎたあとも日本で働き続けたい場合は、特定技能2号への変更を検討します。

2号の対象は11分野で、評価試験などの要件を満たさなければなりません。2号へ移れない場合は、通算5年で在留が終わります。

技能実習は転職できないのに、特定技能はなぜ転職できるのですか?

制度の目的が違うためです。技能実習は、日本で身につけた技能を母国へ移して国際協力をおこなう制度で、実習計画に沿って実習先で技能を学ぶため、実習先の変更は原則認められていません。

一方、特定技能は、人手不足の分野で即戦力となる外国人を受け入れる制度で、働くことを前提としているため、条件を満たせば転職できます。

ただし、同じ業務区分の中などに限られ、転職先で働くには在留資格の変更許可申請が必要です。

変更許可申請が不許可になったらどうなりますか?

変更許可申請が不許可になると、転職先で働くことはできません。在留期間が残っていれば、その期間は日本に在留できますが、正当な理由なく3ヶ月以上特定技能の活動をしていない場合は、在留資格が取り消されることがあります。

まずは不許可の理由を入管庁で確かめ、書類の不足や要件の見落としがないかを見直しましょう。在留期限が近いときは、早めに専門家へ相談するのが現実的です。

編集者

  • ai行政書士法人 Web編集部

    ai行政書士法人のWeb編集部です。身近な街の法律家として、みなさまに分かりやすく情報をお届けします。

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